3月2014

3.11

『草原の輝き』

誰も取り戻せはしない
草原が輝いていたあの頃を
花が満開のあの頃を
でも嘆いたりしない
それより強さを見つけよう、後に残ったものの中にある力強さを

『Splendor in the Grass』

Though nothing can bring back the hour of splendor in the grass,
of glory in the flower, we will grieve not.
Rather find strength in what remains behind.

William Wordsworth
訳)松野町夫

本日のお客様 (男物のお直し、その他ご相談)

先日いらして頂いた、目黒区のK様。
ご主人のお着物を購入したそうで、再度いらして下さった。

まずは大島の反物。
アンサンブルの大島が2組。紺色と薄グレーの1組ずつ。

反物はそのままお仕立てするとして、アンサンブルの大島の方は紺色の方は裄直しのみでお召しになれそうです。
薄グレーの方は裄出しをしても少し小さめなので、単衣仕立てにしてはいかがですか?とお勧めしました。
こちらは洗張りをしてお仕立て直しとなりました。

男物の雨コートはどうしたらいいのか、お茶の時の袴はどうするのかなど、私も調べなくてはいけないことがいくつか出てきました。
そう思うと、男物のコートは“ひと昔前”の感じがします。
ちょっと考えてみるのも面白そうです。

愉快な仲間たち

京丹後に引っ越した友人Tさんが、ご主人の仕事に連れ立って東京にやって来たので、食事をすることに。

メンバーは友人Tさん、その友人Aさん、私、相方の4人。
実はこのメンバーで1年前にも梅ヶ丘で食事をしています。その時の日記→こちら

Aさんは某美術大の講師をされていて、裏話というか実話というか『本当?』という様な面白い話が多い。
残念ながらここでは書けません(涙)
アート系学校に通う20歳前後の若い子達は、先生同様に面白い(個性的)のだろう。
食事をし始めて落ち着いた頃、Aさんの同僚のOさん(こちらは初対面)が加わり、更に面白い話(失礼)は続く。
今思うと、若い時に美術系の学校に行くのも良かったなどど思ってみるが、その当時はこれっぽっちも考えつかなかった。

何年か前に京丹後を相方と2人で訪れた時に、猟師が捕った猪のお肉をごちそうしてくれた。
その時はその猟師と知り合いになったばかりで、それほど沢山お肉をもらう事は無かったそうですが、今では猪の解体を手伝い、時には20キロほどのお肉を頂くそうで、冷凍庫はいっぱいになっているらしい。
なんでもその猟師は割と有名な方らしく、ナイフも自分で作っているのだそう。
時には海外の方からの注文を受けて、その時は高価なスコープと交換したという。
銃やナイフの話に大興奮の相方は、今度は冬に京丹後に行きたい!といい始め、行ったらその猟師に会いに行く相方の姿が私の脳裏を横切ります。
そして、来年の冬辺りにジビエと蟹尽くしの京丹後日記を書き込んでいる私の姿も想像できます(笑)

緑を求めて

運動不足解消を兼ねて相方とお散歩へ出かける。
コースは渋谷→明治神宮→代々木ビレッジ→新宿コンランショップ→新宿→代々木上原ネオグリーン
コースを見てもお分かりのように、緑を求める気持ちの良いお散歩となりました。
そしてまたしても植物を購入してしまうのでありました(笑)

本日のお客様 (ご主人の採寸)

本日、2組目のお客様。

お昼前に目黒区K様よりお電話を頂く。
『実は、主人が着物を始めたいというので採寸していただけますか?』との事です。
夜に経堂の辺りに行く用事があるので、その前にご夫婦でいらして下さった。

K様には何度もお目にかかっておりますが、ご主人は2度目のご対面。
早速、採寸をさせていただく。
男性の寸法の割り出しで1番難しい所は何といっても着丈です。
今回お仕立てするのは初めてなので、この間目黒区O様のご主人に仮試着をさせていただいたように、K様にもおすすめしてみました。
『是非お願いします!』というお答えを頂きましたので、私も安心してお仕立てすることができます。
本日採寸した寸法を元に反物を購入されるそうです。

お伺いしたところ、着物に興味を持ったのは“利休に尋ねよ”の映画を観たから、という事。
奥様は元々お茶をされておりましたが、ご主人もお茶も始められたそうです。
ご夫婦での楽しみが増えたのではないでしょうか。

本日のお客様 (訪問着ご依頼)

4月の卒業式にお召しになるという事で、訪問着をご依頼いただきました。
墨田区からお越しのS様。
以前私が住んでいた森下から近い場所ですので、地元の話で盛り上がりました。
その頃からHPを見ていて下さったそうで、本当にありがたいと思います。
お客様にお伺いすると、皆様『HPは以前から見てました。』とおっしゃって下さる方が多いことに驚きますが、とてもうれしく思っております。

ご依頼のお着物は淡いピンクの地色で裾回りに刺繍が施された訪問着です。
落ち着いた訪問着で、これからも活躍する1枚になると思います。

+++++
附下と訪問着は柄合わせの個所によって金額を決定しております。
柄合わせの個所が多いという事は、それだけ時間と手間がかかるという事なのです。
訪問着でも袖付けや掛衿の柄合わせが無いものもありますので、拝見してから金額をお知らせしております。

本日のお客様 (紅花紬単衣仕立てご依頼)

港区S様。
紅花紬の単衣仕立てをご依頼いただきました。
いつも同じ呉服屋さんで購入するわけではないので、その度に寸法を伝えるのではなく、同じ人に仕立ててもらいたいという事でいらして下さいました。

紅花の花の色は黄色ですが、乾燥させると紅の色になります。
とは言っても、染めの色は媒染によって色々な色に変化します。
それが染色の不思議で面白い所ですね。

お持ちいただいた紅花紬は水色から黄色に変わる縦ぼかしのグラデーション。
S様によくお似合いになりそうな淡いお色です。

こういう場合、どこに衿の色を持ってくるかでお顔回りの印象がだいぶ変わります。
S様は水色を顔回りに持ってきてほしいという事でしたので、その様にお仕立てさせていただく事になりました。
お着物には“追っかけ(追い裁ち)”と“本裁ち(基本裁ち)”の2種類がありますが、今回は“追っかけ”で衽のみ少し変えてお仕立てします。(裁ち方については後日、詳しく説明いたします。)

S様は本業の他に着付けのお仕事もされているそうで、お着物にも詳しくお話も楽しくさせていただきました。
S様のブログに『仕立屋 凛』を紹介していただきました。→ボンジュールきもの