美術館・展示会など

大羊居・大彦 60年振りの兄弟展@5610ギャラリー

先日、ブログに書きました『大羊居・大彦60年振りの兄弟展』を観に行く。
展示されているお着物はどれも素晴らしい着物達なのですが、画像にある(撮影許可をいただきました)2点が特に目にとまりました。

敷石文様の訪問着。
さながら今で言うところのインクジェットで染められた様に鮮明で美しい染色。
そして2階から見下ろす様に描かれた構図に驚きます。
故・川端康成氏が娘さんの為に注文されたという説明もありました。
娘さんはどんな帯をしてお出掛になったのでしょうか。
想像するのも楽しくなるお着物です。

縫い取り御召の黒留袖。
御召の生地で黒紋付きがある事にまずは驚きましたが、その地模様には金糸と銀糸で波文様が描かれています。
結婚式などのお祝いの席では、招く方も招かれる方も第一礼装です。
最近の結婚式は割と砕けた装いになっている感がありますが、このお着物を見て気持ちが改まりました。
(生地感を確かめたい衝動に駆られましたが、触れる事はやめておきました。)

昨今の日本ではデザイン盗用などの諸問題で揺れておりますが、研ぎ澄まされた感性の持ち主は見えている映像も思考も違うのだと改めて感じます。