着物の話

美味しい天ぷらランチ

お客様のT様と、祖師ヶ谷大蔵に新しくできた天ぷら屋“栗天”さん(Webサイトもかわいい)にランチを食べに行ってきました。

T様は栗天さんのご主人のお父様が経営されている居酒屋さんによく行ってらっしゃるそうで、息子さんの方は青山で天ぷらの修行を積み、今年3月に祖師ヶ谷大蔵で開業されたそうです。
もちろん、こちらのご主人ともお知り合い。

L字型のカウンターの1番端に座り、その席からはちょうど揚げている手元が見える。
職人さんの手仕事が見えるのはうれしい限り。
早速、二人で天ぷらごはんを注文。
キス、海老、椎茸、茄子、玉ねぎ、稚鮎、ホタテ、ピーマン、アナゴ、かき揚げ(順不同)
サービスでさつまいもを出して下さった。

こちらの天ぷらは関西風なのだそう。
天ぷらに関西風があるというのを初めて知ったのですが、衣が薄くサクッとしていて美味しい。
東京風と意識した事は今まで無かったのですが、衣が多くタレ(つゆ)も少々甘い気がします。
今まで天ぷらをあまり食さなかったのは、東京風(といわれる物があるのならば)が私の好みではなかったのかもしれません。

T様とは着物お話、落語のお話、三味線のお話などつきません。
“日本芸能を習うという事=着物は切り離せない”というお話はとても興味深く拝聴。
それぞれが独立しているわけではなく、共にあって成り立っているのです。

T様、楽しいお話と美味しいお店をご紹介くださってありがとうございます。
栗天さんはお気に入りのお店になりそうです。

来客日和

1組目のお客様。
あくあ屋さんのリンクからお問い合わせいただいたお客様で、大島のお仕立てをご依頼くださいました。
反物は以前から持っていたそうで、今回お仕立てに踏み切ったという事です。
お食事会にお召しになるご予定があるそうなので、間に合うようにお仕立てさせていただきます。

+++++
2組目のお客様。
ご夫婦でお仕立てをご依頼いただいておりました。
小千谷縮をそろってお仕立てさせていただきまして、本日お引き取りにいらして下さる。
お日にちのご都合がなかなかつかず、本日に至ってしまい申し訳なかったです。

男物の方は対丈でお召しになる為に、身丈の割り出しを検討しました。
男物の身丈の割り出し方は、和裁士によって様々ですが同じ身長だからと言って同じ身丈にはできません。
痩せている方、胸の厚みがある方、ふくよかな方などの様々な体系があります。
今回のT様は剣道をされていたという事もあり、胸板があり更に腕の長さも左右で違いました。
色々検討した結果、最初にお渡しした身丈よりも5分(約2センチ)短くお仕立てをさせていただいたのですが、試着していただいてちょうど良い寸法に出来上がったと思います。
掛衿丈、袖丈も少し長めにお仕立てしました。
今回は長襦袢もお仕立てさせていただきました。

そして、奥様の小千谷縮。
こちらもご試着いただいて、身巾も身丈もちょうど良い感じ。
今回は袷のお直しもご依頼いただいておりましたので、ご一緒にお渡ししました。

「ご一緒にどちらかへ出かけるのですか?」と、お伺いしたところ
「青山墓地が近くにあるのでとりあえず、お散歩してみます。」というお答え。
青山墓地?と一瞬思ったのですが、後で相方に聞いてみたところ青山墓地はすごくきれいでジョギングなどしている方もいるそうです。
墓地でもありますが、公園の様な場所なのですね。

乃木坂にお住まいという事なので、私たちが通っている乃木坂の整体をご紹介。
「早速、予約してみます!」とのお答え。
気に入って下さるとうれしいです。

お帰りの際に、奥様から「今回はいいご縁で良かったです。」との一言がとてもありがたく、本当にうれしく思いました。

+++++
3組目のお客様。
世田谷区にお住まいなので、バスでいらして下さった。
アンティークのお着物の八掛交換を承る。
ご自身の影響でお友達も着物好きになったとか。
互いに影響しあうというのは素敵な事ですね。

+++++
4組目はお客様というわけではないのですが、私個人の知り合い。
所要があって、家に寄ってくれました。
色々お話してる最中に、相方が仕事から戻ってくる。
今度はゆっくりとお話しましょう。

+++++
今日はお客様が多い1日でしたが、『雨が降らずに良かった。』と胸をなでおろす。
お着物を持ってきていただくにも、お渡しするにもゲリラ豪雨にあってしまったら申し訳ないです。
お客様に合うという事は=パワーをもらう事なのだと実感した1日となりました。
私もそのような存在になれればと思います。

本日のお客様  裄直しについて

お預かりしていた、裄直し3枚をお渡しする。
本日のお客様U様も、自分の寸法を見直しているという事でした。

裄寸法に関しては皆様色々悩むところがあると思うのですが、私は長めはおすすめしません。
今は洋服に慣れている事もあり、『こんなに長いの!?』と思うくらいの寸法でお仕立てしているかたもいらっしゃいます。
もちろんお好みもありますが、実際問題として裄が長いと汚れも付きやすいですし人間の動線として合理的ではないと思っています。
それと、裄が長いという事は肩幅も大きくなります。
肩幅が大きくなる=身幅が大きくなるという事です。
胸回りがすっきりしないという方は、裄寸法を見直してみてください。
細くて腕が長い方は特にです。

そして、U様からは裄直しのお着物と、長襦袢のお仕立てをご依頼いただきました。
着物を洗張りした物を長襦袢にできないですか?というご依頼です。
生地を拝見し、厚みや色などを見ても問題ないと思われます。
こちらも出来上がりましたら、HPでご紹介したいと思っております。

雑談も無駄ではありません

午後から裄直しご希望のお客様がいらっしゃる。
今回は裄直しのみのご依頼ですが、お客様のサイズを測って寸法を割出しました。
お持ちいただいたお着物も羽織っていただきましたが、ほぼ体系に沿ったサイズでしたので、少しだけ調整させていただく。
お仕立ての事を色々お話してしまうと、かえって混乱してしまったら申し訳ないと思いつつ、少しでも良いものをお仕立てしたい気持ちで難しいことも時にはお話してしまいます。
お仕立ての話だけではなく、色々なお話からその方の好みが見えてきます。
皆様も遠慮せず、お着物以外のお話をしていただきたいと思っています。

本日は4名様がいらして下さいました

午前中、6歳のお子さんのお着物をお仕立てご希望のS様とお嬢様のMちゃんがいらっしゃる。
S様ご自身がお召しになっていた朱赤の江戸小紋を子供物にお直ししたいとの事。
今は七五三以外で子供物をお仕立てすることは殆ど無いのではないでしょうか。
今は6歳ですが、出来れば3年くらいはお召しになりたいという事でしたので、少し大きめにお仕立てし、あとは肩揚げで調節して着ていきたいとのご希望です。
Mちゃんも着物が好きと言っていたので、楽しみにお待ちいただきたいです。

+++++
午後、紬のお仕立てをご希望のK様がいらっしゃる。
同じ世田谷区内という事でいらして下さいました。
今までは呉服屋さんなどでお仕立てをされていたそうですが、やはり大きくできがってしまうというお話です。
お着物のお仕立ては色々注文できます。
丸みの指定も皆様なかなかされませんが、大きさは自由です。
今回もそのお話をし、実際に丸みの型を見ていただく。
少し検討されてからご連絡下さることになりました。
小さなことですが、それだけでも楽しい事だと思います。

+++++
夕方、浴衣を引き取りにN様がいらっしゃる。
森下時代からのお客様で、寸法の大きかった浴衣をお仕立て直しさせていただきました。
今回浴衣を解いた際に、私の方で水通しをしました。
浴衣はご自身で洗いたいものです。
木綿の生地は割と縮みますので、先に縮ませてからお仕立てさせていただきました。
もちろん木綿糸も水を通しております。

今回の仕立てをご試着なさって、もう気持ち小さくお仕立てしても良いのではとのご感想。
次回の寸法に反映させていきたいと思います。
N様は染め直しも検討されているそうで、お役に立てればと思います。

裾の擦り切れ

麻の長襦袢を引き取りに、K様がいらっしゃる。
先日お直しさせていただいた白大島の単衣をお召しになっていらして下さった。
「とても着やすいです!」との一言は、お仕立てをしていている者にはとてもうれしい言葉です。
今回の長襦袢は裾の擦り切れ防止に、小さい比翼を裾に付けました。
留袖などについている比翼を簡素化した感じです。
裾の擦り切れに悩んでいる方は多いと思います。
お召しいただいた感想をいただけると思いますので、皆様にもまたお話したいと思います。

そして本日もご依頼品を何点かあずからせていただく。
頑張ってお仕立てします!

本日のお客様、裾の擦り切れについて

お昼過ぎに、浴衣を3枚お仕立てさせていただいたT様がいらっしゃる。
「裾がよく擦り切れてしまうので何とかしたい。」
というご要望があったため、腰揚げを付けることをお勧めしました。

単衣の場合、裾が擦り切れると内揚げを降ろすという大掛かりなお直しになってしまうので、それも簡易化したい。
お稽古で使う浴衣の為、擦り切れる度にそんなこともしていられないという事も加味しました。
普通、腰揚げは子供物などでつけるのですが、表側につけるのではなく裏に付けることに。
裏側に付けることによって、見た目的にも変わりませんし、裾が擦り切れたら腰揚げを出して裾を直すだけで済みます。
ご自身でお直しできると良いのですが、どうしても出来なければ持ってきてください。とお伝えしました(笑)

+++++
その後、ご夫婦でお仕立物をご依頼のお客様がいらっしゃる。
ご主人の夏物のご依頼と伺っておりましたが、奥様のお着物の方が多かったです(笑)
女性はお着物を頂く機会も多いですから。

これからお二人でお着物をお召しになっていきたいという事でしたので、少しでもお手伝いできればうれしく思います。

着物を染め替える

本日、午後よりお客様。
ご指定のお時間が過ぎたところでお電話がかかってきました。
なんと!新百合ヶ丘まで快速急行に乗って行ってしまったという。
私もまだ小田急線に慣れてはおりませんが、快速急行だけは未だに乗る機会がないです。

約1時間遅れでいらっしゃる(笑)
江東区時代もいらして頂いたことがありますが、お会いするのは2度目。
お仕立ても沢山ご依頼を頂いております。

今回は出来上がったお仕立物のお渡しと、染め替えをご希望のお着物をお持ちいただいた。
色を考えるところから、お好み、用途、季節など考えて、今回は薄い玉子色に決定。
今回は脱色が必要ですが、脱色は何回も行うと生地が痩せてしまうので、最初は薄い色に染めてそれ以降は濃いお色に染められたら良いと思います。

染め替えに必要な工程として。
まず、洗張。
必要であれば脱色。
しみがあればしみ抜き。
綺麗な反物の状態に戻してやっと染めることができるのです。

違ったお色になると、新しいお着物が増えたようでうれしくなりますよね。
秋のお茶会でお召しになりたいという事でしたので、出来上がりまでが待ち遠しいと思いますが、“楽しみに待つ”という思いがお誂えの醍醐味なのではないでしょうか。

雨コートのご相談

引っ越してからは初めてあくあ屋さんがいらして下さった。
以前お仕立てした、染め直しをしたマリンブルーのお着物とご自身で刺繍されたイルカの名古屋帯を締めて。

あくあ屋さんの名前の通り、海が大好きで時間が空くとフラッとカリブ海へ潜りに行ってしまったりする。
ブルー系のお着物が多いのもLOVE OCEANの現われ。
昔はロッキー山脈でスキーガイドもしていたという、とてもバイタリティ溢れるあくあ屋さんなのです。

まずは近所のイタリアンでランチ。
今日お召しになっているお着物と帯を褒められ昨日は結構お酒を飲んでしまったらしい。
そのせいか、さっぱり系の空豆と海老のペペロンチーノを注文。
私も同じものを注文。
前菜と共に、とても美味しくいただきました。

さて、自宅に戻り本題のお直しのお話。
「肩の肉が落ちてしまったのか、雨コートが引きずってしまう。」というご相談。
実際に羽織っていただくとやはり長い。
マチ針で仮止めをすると後は8分、前は5分ほど短くした方がよさそう。
お話を伺っていると、肩の肉が落ちたというほかにも帯枕を変えたのだという。
枕の高さも着丈に影響していると思われる。

結局、あくあ屋さんは飾り結びもなさるので、飾り結び用の雨コートを次回お仕立てし、今回のコートはお太鼓用のコートになさるという事になりました。

対丈のコートは生地によって着丈が変わってきます。
お客様のコートを実際に測らせていただくと、着丈が1寸違うものがあってもどれもちょうど良いという物もあるのです。
やはり仮縫いの重要性を再確認。
お客様にとってはお着物をお召しになって来ていただかなくてはならないというお手間をとらせてしまうのですが、これが1番の近道です。

最後になりましたが,あくあ屋さんからお花を頂きました。
お花のプレゼントはいつ頂いてもうれしいものです。
また、楽しいお話しましょうね。

愛着

本日のお客様はお仕立てとお直しのご依頼のお客様。
世田谷区に越してから、用賀にお住いの方からのご依頼が多いです。

今回は身幅直しもあるのですが、身幅を大きくする際はヤケやスジが1番気がかりになる所です。
『仕立屋 凛』では直るかどうかのお見積もりを出してからお直しさせていただいております。

ヤケ直しは実際には出来上がってみないと仕上がりが分からないので難しいのですが、ヤケ直しの仕上がりが70%でしたら、残りの30%をお客様のお気持ちでカバーして欲しいと思っています。
『愛着』という言葉の通り、そのお着物が完全にきれいにならなくても愛してお召しになっていただければお着物も喜ぶと思います。