仕立てとお直しに関するお話

裄の決め方

裄の寸法はお好みもありますが、私はあまり長くしないことをお勧めしております。
私自身の裄は1尺7寸5分ですが、1尺7寸の着物を着てもあまり違和感を感じませんし、人から『裄が短くておかしいよ。』と言われた事もありません。

では実際にどのくらいの寸法にしたらよいのでしょう。
測り方にもよりますが、私は腕を斜め45度にして測り、手首のぐりぐりがギリギリ隠れるくらいの寸法にしています。
短い所で、ぐりぐりが出るくらいの寸法までOKだと思っています。
その方の着物のライフスタイルでも変わってくると思いますが、長い裄の寸法でご着用されると袖口も汚れますし合理的ではないのです。
ですが、1番問題なのは身幅が大きくなってしまうという事です。
裄と身幅は密接な関係でして、皆様あまり考えつかないところだと思いますがこれも近々お話させていただこうと思っています。

洋服に慣れてしまっている私たちはどうしても裄を短めにという発想になれません。
先ほども書きましたが、斜め45度で裄の長さを測っておりますので、腕を降ろした状態にすれば肌の部分は割と出ます。
長袖の洋服は腕を降ろした状態でも手首まですっぽりと隠れ、その感覚に慣れてしまっているのでしょう。
ですが、洋服と着物は仕立て方が違います。

最初に決めた寸法が本当に正しい寸法とは限りません。
セカンドオピニオンという言葉がある様に、専門知識がある別の所で寸法を測ってもらうのも1つの解決策かもしれません。
着物だけではなく、襦袢、羽織、コートとすべてに関わってくる問題ですので寸法を決定するのは最初の着物では無い方が良いかもしれません。