6月2014

ピエールカルダン浴衣

【世田谷区S様 浴衣】

日記の方で先にご紹介させていただきました、ピエールカルダンの浴衣です。
私個人的には、クジャクの羽の様なイメージでしたが、見る方によって捉え方も様々なのではないでしょうか。
オレンジが効いていてとても素敵な浴衣だと思います。
いつも思うのですが、着物だけで見るよりも、やはりお召しになっているお姿の方が断然素敵です。
お召しになっている方の個性も出ますので、そこが面白いのかもしれませんね。

 

男物 単衣羽織

【目黒区K様 単衣羽織】

前回と同じく目黒区K様のお仕立物です。
絹紅梅の生地でしょうか。こちらの生地はK様の方で染めに出されたものです。
男性の方は着流しでお召しになるのが気恥ずかしいとおっしゃる方が多いです。
袷、単衣共に羽織をお持ちになっているととても重宝すると思います。
羽織とお着物の色合わせも楽しいところ。
お着物は透ける素材でしたら濃い目の生地でも涼しく感じ、羽織から着物のお色が透ける事で更に涼しさを感じるというとてもおしゃれなお召し物です。
紗合わせはその典型だと思います。
前回掲載した大島の単衣と重ねてお召しになるとおっしゃっておりました。

 

無地染 男物大島紬

【目黒区K様 男物大島紬 単衣】

大島紬の白生地を引き染めしてお仕立てしました。
シルバーに近い薄いグレーで、大島紬の光沢感と重なりとてもきれいなお色に染め上がったと思います。
大島紬は浸染で染めると生地の特質で染めムラが出てしまうので、必ず引き染めで染めをお願いしています。
白生地も細かいみじん格子の織が入っており、全くの無地ではないので生地の表情が出ているのではないでしょうか。
今回の大島の白生地は『仕立屋 凛』でご用意させていただきました。

  

こちらはご一緒にご依頼いただいた麻の長襦袢です。↓

絽織 紬単衣

【目黒区K様 絽織 紬単衣】

絽というと夏物を想像してしまいますが、こちらは絽織の紬です。
絽織の紬は珍しいですね。
私も拝見するのは初めてでした。
夏物として着用は厳しいので、やはり単衣仕立てが妥当ではないかと思います。
クチナシの様な黄色に三つ巴の縫い紋が1ツ入っております。
この黄色いお色も蛍光色の様な黄ではなく、落ち着いたお色で、縫い紋の銀糸とのバランスも良いですね。
季節の柄が描かれた八寸帯がよく似合いそうです。

  

目黒区S様 大島紬お写真

目黒区のS様が、ご着用のお写真を送ってくださいました。ありがとうございます。
こちらのお着物は6月3日のきものLaboでご紹介させていただきました。

S様はフラメンコをされているのですが、このお写真は観に行かれた時に撮影なさったそうです。
着付けのお稽古もお着物で通っているそうなのですが、最近の暑さでとうとう断念されたそうです。

帯は北欧の生地からお仕立てされ、帯揚げや帯締めのお色が効かせ色になり、素敵な着こなしをされていると思います。
大島のお色も爽やかなので、5月から6月にかけて楽しめるお着物ですね。
10月頃も秋のコーディネートを存分に楽しめそうです。
さすがに気温が30℃近くになると、単衣も暑く感じますが長襦袢などは麻でも問題ありませんし、少しでも涼しくいたいものです。

これからもフラメンコとお着物、楽しんでください!

宮古上布

【世田谷区S様 宮古上布】

昨年からお預かりしておりました宮古上布。
洗張りをして砧打ちをし直したという生地は、蠟引きをしたかの様にその独特な光沢感を増し、とても美しい輝きを放っておりました。
“蝉の羽”とも表現されるその薄く繊細な生地は空気をまとう様な着心地なのでしょう。
“績む”と表現される、苧麻の細い繊維をつなげていく作業は本当に手のかかる作業なのだと実感します。
そんなことを思いながら、このお着物をお仕立てをさせていただきました。

こちらのお着物は遠目から見ると、生地の組織図の様にも見えます。
それも何か宮古上布の貴重さを表しているようで、灌漑深く思いました。
真夏の陽射しの下でも涼を感じられる宮古上布。
着ている人だけではなく、周りの人にも涼を与えてくれそうです。

 

苧麻の糸績み↓

花々文様にぼかし附下 

【町田市A様 花々文様にぼかし附下】

お花の文様が全体に散らされた、ぼかしの附下です。
柄合わせでいうと、お花の柄を合わせるのではなく、裾まわりのぼかしの附下になります。
全体が淡いピンク色でしたので、八掛はお花の中でも濃いめの紅色を選ばせていただきましたが、お着物とのお色とちょうど良いバランスになったと思います。
お花の文様を見ると、春と秋の両方にお召しになれるお着物です。
長い期間楽しめるお着物ですので、沢山お出かけになっていただきたいです。

   

江戸小紋 胴抜き仕立て

【港区Y様 江戸小紋 胴抜き仕立て】

江戸小紋の胴抜きのお仕立です。
Y様はお茶をされていらっしゃるので、やはり”暑い日の袷”を考えて胴抜きのお仕立をご希望されました。
八掛もちょうど共色に似たお色がありましたので、違和感もありません。
お色を例えると、にぶい赤紫を指す”梅紫”という色が一番合う様な気がします。
江戸小紋は色々な場面で活躍するお着物です。
長くご着用いただきたいと思います。

  

大島泥染 長襦袢

【目黒区S様 大島泥染 長襦袢】

前回の白地の大島紬とご一緒にご依頼いただいた長襦袢のお仕立物です。
泥染めの長襦袢生地がある事も初めて知ったのですが、この色合いが泥染めで出せる事にも驚きました。
この爽やかなグリーンが泥染から生まれているなんて、ちょっと信じられないくらいです。

白地の大島紬の長襦袢にとてもよく合いそうです。

 

大島紬 単衣仕立て

【目黒区S様 大島紬 単衣仕立て】

爽やかな白地の大島紬。
縦縞の青が更に爽快さを増しているように思います。

大島紬も昔ながらの黒や茶系の文様だけではなく、若い方がお召しになりやすいパステルカラーの生地が多くなってきています。
こういうところから入っていくと馴染みやすいかもしれないですね。
一見、大島紬とは思えないような生地も沢山あります。

今回のお着物は、袷にするか単衣にするかで迷っておられました。
着物はお召しになっている方のみならず、周りの方にも季節感を味わってもらうお召し物です。
大島紬は単衣にしても軽く、色合いもとても爽やかですので、単衣の時期にピッタリだと思います。

5月の少し汗ばむような季節にもお召しになっていただきたいです。