お仕立物

宮古上布

【世田谷区S様 宮古上布】

昨年からお預かりしておりました宮古上布。
洗張りをして砧打ちをし直したという生地は、蠟引きをしたかの様にその独特な光沢感を増し、とても美しい輝きを放っておりました。
“蝉の羽”とも表現されるその薄く繊細な生地は空気をまとう様な着心地なのでしょう。
“績む”と表現される、苧麻の細い繊維をつなげていく作業は本当に手のかかる作業なのだと実感します。
そんなことを思いながら、このお着物をお仕立てをさせていただきました。

こちらのお着物は遠目から見ると、生地の組織図の様にも見えます。
それも何か宮古上布の貴重さを表しているようで、灌漑深く思いました。
真夏の陽射しの下でも涼を感じられる宮古上布。
着ている人だけではなく、周りの人にも涼を与えてくれそうです。

 

苧麻の糸績み↓