9月2014

江戸紅型 小紋

【世田谷区H様お嬢様 江戸紅型 小紋】

H様のお嬢様の江戸紅型の小紋をお仕立てさせていただきました。
こちらのお着物は七五三で染から誂えたお着物を大人物に仕立て直しをしたものです。
七歳のお着物をお仕立てなさる場合、子供の時にしか着れない可愛らしい物を選ぶのもよいですし、大人になってからもお召しになれるお着物を選ぶ事も出来るのです。
大人になってからも、と考える場合は和裁士さんに一言伝えておいた方がベター。
大人物と同じ裁断ですが、それでも子供用です。
小さ目に裁断されては大きくするにも限界があります。
今回のお着物はお袖が長かったので、後身頃と元のお袖を差し替えて長くお仕立て直しできました。

七五三でお召しになった当時、お嬢様が好きだったTシャツの色に染めて貰ったというエピソードをお伺いしました。
そんな出来事も思い出として残ります。
今現在、誂えるという事は特別な事になってしまったのかもしれませんが、小紋柄でしたら大人になってからもまたお召しになる事が出来ますし長く楽しめると思います。
子供用が大人になっても着れるという事は洋服では無い事です。
それを考えたらとてもお得なお買い物と言えるでしょう。

ご一緒にお仕立した長襦袢です。↓

 

 

結城縮 単衣仕立て

【世田谷区H様 結城縮 単衣仕立て】

結城縮の単衣をお仕立てさせていただきました。
格子柄に織られた柔らかな結城縮は色合いと言いとても柔らかな印象で、私の中でH様の印象と重なりました。

結城縮、結城紬は普段使いでしたら単衣仕立てで冬場にもお召しいただけます。
真綿の生地は単衣のお仕立でも冬の寒さをしのいでくれるほど暖かいのです。
単衣仕立てまではいかなくても、最近は胴抜き仕立てのご依頼がとても多く、それだけ真綿の暖かさがどれほどなのか分かります。
男性の方は特に体温が高いので、袷はすべて胴抜きに直したいとおっしゃる方もいらっしゃいます。

先日、こちらのお着物を初おろししましたとご連絡をいただきました。
ご友人にもお褒めの言葉をいただいたそうで、私もうれしく思います。

  

吹き寄せ柄 化繊雨コート

【目黒区K様 吹き寄せ柄 化繊雨コート】

化繊の反物で雨コートをお仕立しました。
雨コートは防水加工をしてしまえば、殆どの生地でお仕立て可能ですが、化繊の生地を使うのも一つの手です。
化繊の着物は抵抗ある方も、雨コートとしてなら気にいった柄を選んでみてもいいと思います。

防水加工は半永久ではありませんので、何年かごとに加工し直さなくてはいけません。
それを考えると化繊にはその手間もありませんし、気にいった生地があればちょっと考えてみるのもいいかもしれませんね。

色紙文様 紬

【杉並区O様 色紙文様 紬】

昨年もご依頼いただき、今年もお仕立てをご依頼いただきました杉並区O様。ありがとうございます。

今回は紬のお仕立と単衣の長襦袢をお仕立させていただきました。
グレーやカーキ色といった色調がぐっと渋めの印象で、色紙の文様もとても落ち着いています。
O様はお着物は渋めですが、襦袢は割と明るめの物を選ばれる様な気がします。
今回お仕立した長襦袢は単衣なのでこちらのお着物に合わせる物ではないかもしれませんが、以前はこちらの長襦袢をご依頼いただきました。
そういうところも遊び心があるのかもしれませんね。
皆様、思い思いに楽しんでいらっしゃるのが分かります。

ご一緒にお仕立した長襦袢です↓

色無地 染め替え

【愛媛県N様 色無地 染め替え】

愛媛県の方からご依頼いただきました。
遠方からのご依頼は本当にうれしい限りです。ありがとうございます。

このお着物は『仕立屋 凛』で染め直しからご依頼をいただき、色無地にお仕立てさせていただきました。
元々のお色は濃い目のグリーンでしたが、お嬢様用に淡いグリーン色に染め替えをご希望されました。
濃いお色の場合は、一度脱色をしてから染め直しとなります。
こちらのお色は”若緑”という淡いグリーン色。
八掛も共色にぼかし染めで染め直しいたしました。
染め替えをしたお着物は、まるで新品を誂えた様なお気持ちになると思います。
光の加減で色合いが変わる様に、いつも新たなお気持ちでお召しになれるのではないでしょうか。
誂えたお着物を大切に受け継いでいってくださるのは嬉しい限りです。

 

秋田黄八丈

【中村かをる様 秋田黄八丈】

秋田黄八丈は、本場黄八丈に比べると落ち着いた色合いが多く、黄色がそれほど主張せずお召しになりやすいのではないでしょうか。
そして、イメージ的にも秋の装いが似合いそうです。
裏地には紬の八掛と男物の通し裏を使い、グッと渋みが増した様に感じます。

余談ですが+++++
秋田黄八丈は製造が一旦途絶えてしまいました。
平成18年に復活しましたが、秋田黄八丈の織物は今では1軒でしか織られていないそうです。
このお着物は途絶える前に織られたものですが、工房自体はもう有りません。
本当に残念なことですね。

+++++
中村かをるさんのブログでもご紹介いただいてます。
こちらです→中村かをる創作帯

  

紅型 単衣

【目黒区K様 紅型 単衣】

紬の紅型を単衣仕立てにお仕立させていただきました。
紅型は海や水の文様が多く、こちらのお着物も流水が描かれています。
帆船の帆や、桐の花などの花々もどことなく涼しさを感じさせてくれます。
今年くらい涼しい残暑は9月から紬の単衣の出番も多いのではないでしょうか。
合わせる帯によって、春秋に大活躍のお着物になりそうです。

 

紅葉文様 絽小紋

【世田谷区H様 紅葉文様 絽小紋】

9月は単衣の時期となりますが、絽は9月中旬頃までお召しになれます。
今夏は夏の名残を楽しむというよりも、一気に涼しくなってしまいましたので透け感のある生地は少し涼しすぎる感じもありますが、それでもまだ日が差せば汗ばむ陽気です。
季節の変わり目はお召し物に迷うところですが、そこは臨機応変にいきたいところ。
紅葉の文様は先取りの秋で、まさに今の時期にお召しいただきたいお着物です。