10月2014

本場結城紬

【世田谷区T様 本場結城紬】

本場結城紬をお仕立てさせていただきました。
文様は南天でしょうか、全体を見ると縦縞にぼかしも入りとても深みがあるお着物だと思います。
南天の朱赤が効いていてほのかな可愛らしさもあります。
T様はお引越しの直前に引き取りにいらしてくださいましたが、引っ越された後もお着物を楽しんで下さるといいなと思っております。
引っ越しをして落ち着かれたら是非お召しになって下さいね。

   

更紗小紋の道中着

【相模原市U様 更紗小紋の道中着】

前回と同じく相模原市のU様の道中着です。
こちらは小紋のお着物から道中着にお仕立て直しをさせていただきました。
反物の巾が狭く、裄の寸法が取れませんでしたの袖巾を共布で接いでのお仕立です。
細かい更紗の文様なので殆ど目立たずにお仕立てできたと思います。
袖巾が足りない時には、共布で接ぐという方法が1番だと思いますが柄や生地によっては目立つものもありますので1度ご相談下さい。

揚羽蝶文様 大島紬

【相模原市U様 揚羽蝶文様 大島紬】

大島紬のお仕立て直しをさせていただきました。
こちらのお着物は洗張りが終わった状態でお預かりさせていただきました。
確か、お母様のお着物だったとおっしゃっていた様に思いましたが、とても状態がよく新品の様な出来上がりです。
U様は身長がお高いので身丈が心配でしたが、身丈いっぱいでお召しになれる丈が取れました。
揚羽蝶は家紋でよく見かける文様ですが、お着物にこれだけ大きく入っていると存在感があります。
身長の高いU様のとても映えるのではないでしょうか。
どうぞ楽しんでお召しになって下さいね!

 

紫グラデーション 単衣紬

【横浜市T様 紫グラデーション 単衣紬】

紬の単衣をお仕立てさせていただきました。
紫からグレーに変わるグラデーションが美しいお着物です。
最初にいらしていただいた時に、濃いめの紫を顔まわりにもってきた方がお顔映りが良いという事でその様にお仕立てさせていただきました。
もちろんグレーをもってくることも出来ますので、皆様ご依頼の時は色々ご相談いただけたらと思います。

後日、お茶のお稽古でお召しになっているお写真を送って下さいました。
ありがとうございます!

 

弓浜絣

【江東区O様 弓浜絣】

鳥取県が産地の弓浜絣。
伯州綿から紡ぎだされる太めの綿糸を何度も藍にくぐらせることで更に丈夫な糸となっていきます。
吉祥文様から普段使いの文様まで様々で、そこには母から子へ手渡される愛情が文様となって表れているのです。
江戸末期から大正時代にかけて生産のピークを迎え、その後減少していきます。今現在は少しずつ生産量が増えてきているのだそう。

静岡県のざざんざ織の様に厚めの生地は、単衣仕立てで長い期間お召しになれるお着物なのだと思います。
個人的には藍染の生地はとても好きなので、お客様から藍染の反物を渡されるとちょっとワクワクしてしまいます。

 

綸子地に絞り散らしの小紋

【世田谷区F様 綸子地に絞り散らしの小紋】

綸子地の光沢感にとても鮮やかな新橋色。(英名ではセルリアンブルー。)
その地色に散らされた白い絞りが舞い散る小花の様にも見えます。
こちらのお着物は単衣でお仕立てしましたので、まだ暑さの残る9月、10月の青空に映えるお着物になりそうです。
単衣のお着物はお召しになる期間が短いと思われるかもしれませんが、春と秋を含め最低でも3か月位の期間があります。
その両方の季節に使える生地を選ぶと良いのではないでしょうか。
こちらのお着物も帯合わせで季節感を出せばどちらの季節でもお召しになれるのです。
単衣の季節も存分に楽しんでいただきたいです。

 

横縞 結城縮

【港区K様 横縞 結城縮】

結城縮のお仕立て直しをさせていただきました。
K様がお着物にはまり始めた頃にお買い求めになったそうで、お召しになっているうちに生地のハリがなくなってきたのだそうです。
そこで、結城紬の洗張で”糊入れ”をしてもらったという事でした。
洗張というと洗って乾燥させるだけの様な気がしますが、実はどこまで糊を落とすか、入れるかは職人さんの経験で行っていると聞いたことがあります。
仕立て上がりをK様にお渡しし、その後いただいたメールではこの様に書かれておりました。

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送って頂いた単、大感激です。特にしましま紬。着物にはまった初期に既にかなり昔のという古着で買って仕立て直しをして、随分着たらへなゃへなゃになってしまっていたので、もう寿命だと思っていたんです。 洗い張りで糊を入れてもらい、ゆう子さんにマイサイズに直して頂き、また誇らしげな感じで戻って来てくれて本当に嬉しいです。
またせっせと着ていよいよになったら袷にして、愛用しようと思います。 ありがとうございました。
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私の力というよりも、洗張をして下さった力が大きいと思いますが、『くたくたになるまで着る』なんてなかなかできない事です。
K様の着物愛をとても感じました。
また、袷にお仕立直しする日を楽しみに待っています。

風車文様 附下

【港区K様 風車文様 附下】

風車文様と書きましたが、手裏剣にも音符の様にも見えてきます。
それにしても可愛らしい文様ですね。
モダンアートの様に楽しく、お召しになったら気分も舞い上がっていきそうです。
こういう遊び心のあるお着物はなかなかお目にかかれません。
私のところのお持ちいただいた時はシミや汚れもあり、洗張と染み抜きの加工もさせていただきました。
とてもきれい生まれ変わったお着物はとても喜んでいるように見えるのは私だけでしょうか。