12月2014

クリスマスカラーの雪ん子銘仙

【世田谷区H様 クリスマスカラーの雪ん子銘仙】

クリスマスカラーの雪ん子銘仙です。
水玉模様は雪ん子絣と言われ、昔から愛されてきた文様です。
私もいくつか雪ん子絣を見ましたが、これほどクリスマスシーズンにピッタリな絣は初めてです。
サンタクロース柄の帯をついつい持っていきたくなります。
可愛らしさもありますが、コーディネート次第でグッと大人の雰囲気にもなるお着物ではないでしょうか。

 

アンティークの振袖を訪問着へお仕立て直し

【神奈川県海老名市S様 アンティーク訪問着】

振袖のお着物を短いお袖の訪問着にお仕立て直しをいたしました。
本来は下記の振袖です。

ただお袖をそのまま短くすると、袂の柄が全てなくなってしまいます。
そこで、袖山を回して左前袖と右後袖に華やかが柄を持ってくるように配置。
S様のお袖丈は長めの60㎝をご希望でしたので更に華やかな印象になります。

そこで問題になるのが、家紋。
元々は5ツ紋でしたので抱き(胸)紋とお袖の1部分に残ってしまいます。
これを隠す為には、上から柄を足すか、刺繍を入れるという方法があります。
ですが、柄を足してしまうとそこだけ顔料の固い感じが残ってしまいますので刺繍をおすすめいたしました。

抱き紋の上に刺繍を入れました

他にお袖に残っていた紋の上にも刺繍を入れてあります。
右袖の真ん中少し下の万寿菊が刺繍です

お客様と確認を取りながら進めていきますので、勝手に進めてしまう事はありません。
どうしても取れないシミに刺繍を入れる事もありますが、1か所に入れてしまうとそこだけ浮いた感じになる場合もありますので、バランスを見ていくつか入れる事もあります。

こうして違う形で蘇ったお着物をお召しいただける事が、お客様と私にとって1番の喜びだと思っております。

市松文様 銘仙紬

【世田谷区K様 市松文様 銘仙紬】

市松文様の銘仙紬です。
大正ロマンの代名詞の様にいわれる銘仙ですが、今も生産されています。
銘仙というとツルっとした感触を思い出しますが、時代が古いほど節が多くザラッとした感触の生地が多いと言います。
ツルっとした感触になってしまったのは、昔は屑繭、今は生糸を使っているからなのでしょう。

今回はお母様から頂いたという反物を袷仕立てにお仕立しました。
ココア色の様な表地でしたので、地味になりすぎない様に八掛は少し渋めの黄緑色をお付けしました。
どうぞ楽しんでいただきたいと思います。

  

道行コート

【港区Y様 道行コート】

白生地から染めて道行コートをお仕立てさせていただきました。
深い紫色と地模様の七宝繋ぎの文様がとても落ち着いた雰囲気を出しているのではないでしょうか。
お色の方はY様から見本の生地をいただき、そのお色に染めさせていただきました。
色見本は生地であれば何でも構いませんが、できれば大きめの方が良いです。
不思議なもので、小さいパーツと大きいパーツでは受ける印象が違います。

こちらはコート丈も長すぎず短すぎずの長さがご希望でしたので膝くらいの長さにしました。
コートや羽織は着丈で印象が変わりますのでその辺りも色々ご相談いただければと思います。

浦野理一作 紬

【目黒区K様 浦野理一作 紬】

浦野理一作の紬です。
独特の縦節に特徴があり今でも人気のある浦野理一のお着物。
小津安二郎監督の映画で使用されている事でも有名ですが、いまだに人気は衰えません。
こちらは”照柿”と言われる、熟した柿の様なお色です。
八掛にも深いお色をお付けすると沈んでしまう印象になりますので、K様をイメージして少し華やかな柿色をお付けしました。
12月からお召しになりたいとおっしゃっていたので、どうぞ楽しんでいただきたいと思います。