2月2015

藤と鉄線の附下訪問着

【海老名市S様 藤と鉄線の附下訪問着】

アンティーク着物がお好きなS様。
元々は単衣のお着物でしたが、藤は4月、鉄線は5月頃のお花なので袷にお仕立て直しをいたしました。
お袖丈も柄が切れない所でみると1尺8寸5分(約70センチ)になってしまうのですが、身長とのバランスを考え、1尺5寸8分(約60センチ)でのお仕立となりました。
アンティークのお着物は袖の柄の配置が長めの丈に設定されていることが多く、悩む所でもあります。
全体像を見ると、改めて地色のぼかしも美しさにも気付きます。
それでも、お着物は着る人がいて初めてその美しさが現れてくるものだと思っています。

  

小千谷縮

【目黒区K様 小千谷縮】

こちらも前回と同じく目黒区K様。
夏の定番、小千谷縮のお仕立物です。
全体像を見ると様々な生地を繋げた切継ぎのお仕立物にも見えますね。
画像にはありませんが、上前の衿元に白地を持ってくる様ご希望がありましたので、その様にしております。
お仕立て前には色々と注文を付けてください。
柄出しにも注文が付けられますので、ご希望がありましたらどんどんお知らせください。

 

綿麻 単衣着物 

【目黒区K様 綿麻単衣 水玉文様】

お召しになるのはもちろんまだ先ですが、綿麻のお着物です。
紺地に大き目の水玉が雪の様にも見えますが、夏の紺色は涼しげに見えるから不思議です。
単衣なんてまだ先の話・・・なんて思っていると、すぐにシーズン到来です。
仕立屋 凛でもいくつか夏のお着物のご依頼はきております。
お着物を誂えるにはせめて2か月位の余裕があった方が良いのです。
そこに、加工などが入ると更に時間がかかってきますので、早め早めに準備をしていただきたいです。

 

紬地 フルレングスコート

【港区K様 紬地フルレングスコート】

紬の着尺からフルレングスのコートをお仕立しました。
本当はお着物でお仕立したかったという事ですが、寸法が小さい為にコートにしたら可愛いのではないかという事でご依頼をいただきました。冬のコートは皆様悩むところだと思いますが、こういうざっくりとした紬はとても暖かく、真冬の寒さから身を守ってくれると思います。
画像はありませんが、ポケットも1つ付いています。

裏地は長襦袢の生地を使いました。
コートの裏地は羽裏を購入しても良いのですが、長襦袢でも可能です。
長襦袢の方が可愛い生地があるかもしれませんし、滑りが良く長さがあれば全く問題ありません。
羽裏を探すの長襦袢にも視野に入れるととても楽しくなると思います。

  

笹文様 大島紬

【港区H様 笹文様 大島紬】

笹文様の大島紬です。
小紋柄ですが、こうやって見ると笹の流れが全体の文様となり絵羽にも負けない迫力があります。
H様はお着物を整理されたいという事で昨年からご依頼をいただき、少しずつですがお仕立て直しをさせていただいております。
「短い丈の物は対丈で着ます!」
とおっしゃるH様。
お着物が本当に好きなんだなと感じるお客様のおひとりです。
皆様お着物を着るシチュエーションは様々ですが、どれが正しくてどれが間違いでもありません。
ご自身のお好きなスタイルで楽しんでいただきたいといつも思っております。

   

ひげ紬 男物 羽織

【新宿区W様 ひげ紬 羽織】

前回と同じく新宿区W様のひげ紬の羽織です。
羽裏に紅型の生地をお持ちいただいたので、手に入れられた経緯をお伺いしてみたところ、沖縄に出張に行かれた際にたまたま見つけた紅型の工房で作成をお願いしたのだそうです。
たまたま見つけたという偶然が、何かのご縁という感じがして心をそそられますね。
羽裏の画像はお仕立て前の物で、薄い柄は下前の前身頃になっています。

びんがた工房「くんや」さんの作成です。
ブログを拝見すると色々と注文を受けてくださるようです。

 

男物 みじん格子 結城紬

【新宿区W様 男物結城紬 みじん格子】

昨年もお仕立てのご依頼をいただきました新宿区のW様。
前回も羽織とお着物のお仕立でしたが、今回も同じく羽織とお着物のお仕立をご依頼いただきました。

まずはお着物からご紹介させていただきます。
W様が着物を着るという話を聞いて、叔母様が反物を下さったのだそうです。素敵な叔母様ですね。
画像だとあまり上手く撮れなくて、お色が分かりずらいですが、ココア色の様な温かみのある茶にみじん格子の文様。
伝統的な文様ですが、本当にいつまでも飽きずに長くお召しになれるお着物だと思います。
八掛も色が上手く出ませんで申し訳ないですが、裏柳色の様な落ち着いた黄緑色です。

W様のご近所に落語家さんが住んでいらっしゃるそうで、そのお着物の着こなしがとても素敵だというお話を伺いました。
板につくとよく言いますが、『役者が経験を積んで、演技が舞台によく調和する。 』という意味と『経験を積んで、動作や態度が地位・職業などにしっくり合う。』という意味もあります。
着物を着こなすという事も『経験の積み重ね』と同じく着なれている人とたまに着る人ではやはり違います。
着物を着た時の所作は洋服では身につかないもの。
板につく様になるには、着続けていくという経験を重ねるしかなさそうです。