5月2015

鳶八丈 男物 単衣

【杉並区E様 鳶八丈 単衣】

鳶八丈を男物の単衣にお仕立しました。
元々は女物の袷のお着物でしたが、洗張をし、男物の単衣にお仕立て直しをさせていただきました。

黄八丈は少し明るくてお召しになるのが抵抗ある方も『鳶八丈なら色も落ち着いていているので着てみたい!』という声をよく聞きます。
そして単衣の時期には、とても気持ちよさそうですね。

E様曰く、「証紙は無いですが多分、山下八重子氏の織。」だという事です。
素敵なお着物ですので、沢山お出かけになって下さい。

 

色無地 胴抜き仕立て

【世田谷区M様 色無地 胴抜き仕立て】

色無地の胴抜き仕立てをお仕立ていたしました。
こちらはお客様の方で染められた反物をお持ちいただき、八掛と紋入れは『仕立屋 凛』でご注文頂きました。
八掛と家紋はなるべく共に近いお色でと承りました。
八掛などは見本帳で近いお色が無い場合は別染にてご用意できます。

M様もお茶を習われているので、縫いの1ツ紋をご希望。
家紋は丸に三つ柏のマツイ縫いになります。

今年は既に5月から初夏の様な陽気でしたので、胴抜き仕立ての出番は多かったのではないでしょうか。
松葉の地模様と、薄萌黄の地色が風薫る季節によく映えそうですね。
暑い時こそ、少しでも快適に過ごせるようにしたいものです。

   

遠山文様 附下 

【世田谷区T様 遠山文様 附下】

遠山文様として描かれておりますが、よく見ると山には桜が咲き、梅が散るという細かい描写になっています。
画風も柔らかく、T様の柔らかい雰囲気によくお似合いになるのではないかと思います。
洗張後、八掛も共色に近いお色に交換しましたので、また新たなお気持ちでお召しいただけるのではないでしょうか。
着物は洗えて、部分的な交換も出来、仕立て直す事も出来る、本当に優れた衣服だとつくづく実感します。

  

ざざんざ織 単衣着物

【江東区O様 ざざんざ織 単衣着物】

ざざんざ織の単衣着物です。
ざざんざ織はその地厚さゆえ、冬でも単衣仕立てでお召しになれるお着物です。
ざざんざ織に限らず、ご自分用でお召しになるのでしたら袷の時期でも単衣、袷にこだわる事はないと思っています。もちろん生地によりますが。
今は着物というと『お出かけ』の要素が強くなっていますので、日常着でお召しになっている方はごく僅かです。
私の祖父もいつも着物の人ではありませんでしたが、冬の着物で単衣仕立ての物がいくつかあったと思います。
普段使いでしたら単衣仕立てでも問題ありません。寝間着も浴衣の人でした。
今ではお出かけ着であるが故に、マナーや更衣替えなど細かい事に気を使ってしまうのでしょう。
身近に着物を着る人が居ないから分からないという要素が大きいかもしれませんね。

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このお着物は染め替えをなさったそうです。
元々の地色をお伺いしていなかったのですが、濃い紫のとてもいいお色に染まっていると思います。

ちなみに後身頃には共布で接ぎを入れてあります。
単衣の時期よりも袷の時期向きのお着物ですが、冬の間楽しんでいただきたいと思います。

 

ウール地 道行コート

【杉並区S様 ウール地 道行コート】

ウール生地から道行コートをお仕立てしました。
クリスマスカラーの様な色合いが、気持ちも高揚させてくれそうです。
お召しになるのはもちろん冬ですが、ウール地ですのでとても暖かく、寒い冬も楽しく過ごせそうです。
寒い日のお出かけを少しでも楽しいものになさって下さい。

 

五十嵐沙樹さん作 型染紬

【港区K様 五十嵐沙樹さん作 型染紬】

K様はこのお着物に一目ぼれし購入に至ったというお話を伺いました。
型染作家である五十嵐沙樹さんの作品です。
五十嵐氏の作品は身近な物をテーマにすることが多いという事ですが、このお着物のタイトルは【たらっぺ】だそうです。
たらっぺとはタラの芽という事らしく、私たちがよく目にするタラの芽は穂先のみの部分ですが、タラの芽の木は立派な枝ぶりをしています。
モダンアートを纏う様でとても楽しいお着物だと思います。

K様の様にお気に入りの作家さんが出来ると着物選びも更に楽しくなりそうですね。

五十嵐沙樹さんプロフィール→こちら

  

亀甲文様の大島紬

【目黒区O様 亀甲文様の大島紬】

こちらの大島紬は男物のアンサンブルから1枚の女物にお仕立て直しいたしました。
黒に近い紺色で洗張後の反物は、更に光沢感が増した様に感じました。
元々はお爺様のお着物だったそうで、こうやってまたお召しになれるという事は本当に着物の素晴らしいところだと思います。
また蘇ったお着物を見てご両親もとても喜んでくださったそうで、後日お召しになったお写真を送っていただきました。ありがとうございます。
O様は寸法を決定される為にサイズを知るための着付け教室にも通われたという事でしたが、私の採寸した寸法とほぼ変わらなかったそうです。
結果、とても着やすいサイズになったという事ですので、セカンドオピニオンではないですが和裁士以外の方のご意見も取り入れられると良いのではないかと思います。
どちらにしても、とても喜んでいただける結果になり、私としてもうれしく思っております。

  

竹籠に秋草文様の訪問着

【世田谷区K様 竹籠に秋草文様の訪問着】

訪問着のお仕立です。
たまに訪問着と附下との違いを聞かれる事がありますが、訪問着は共八掛であるという事です。
格が高いお着物は全て共八掛がついています。
呉服屋さんなどで販売されている場合、訪問着は仮絵羽と言う簡単な着物仕立てになっており、附下は反物で売られています。
附下とは柄の配置が全て上向きになる様に配され、文様に関して言うとおしゃれ着的な要素が強いお着物もあります。

K様はとても華奢な体形でいらっしゃるので、脇の柄合わせは竹籠の柄が切れない様、見た目にもおかしくない様にいたしました。
K様はお茶も始められたのでお茶席にも着用出来ますし、ご友人の結婚式にもお召しになるそうです。
訪問着はお召しになる機会がありましたら、沢山お出かけして欲しいと思います。

袖丈は柄の関係で少し長めにお仕立しました。
これに合わせて長襦袢もお仕立しております。