10月2015

紅型風 小紋

【目黒区K様 紅型風小紋】

こちらのお着物はお母様のお着物だったという事で全体がとても小さく、接ぎを入れてお仕立させていただきました。
接ぎを入れる場合、基本的には共布を使用し、着用時に見えないところは別布という形をとっています。
今回は後身頃、上前身頃に共布、下前身頃には別布を使用しました。
幸運にも似た様な生地が手に入りましたので、下前身頃にはそれを使いました。

接ぎを入れるかどうかというのは迷う所でもあると思いますが、こうやってまたお仕立て直しをしてお召しになれるという事は着物以外ではなかなかないと思います。
それにお母様がお召しになっていたというのですから、K様の思いも重なり、更に愛着がわくのではないでしょうか。

   

松文様 紬 胴接ぎ仕立て

【杉並区S様 松文様 紬 胴接ぎ仕立て】

紬の胴接ぎ仕立てです。
今回接いだのはおはしょりに隠れる後身頃と掛衿の下部分になります。
S様は、既に何枚か胴接ぎのお仕立物をされているので接ぐ位置はほぼ決まっており、メールのやり取りのみでも問題なくお仕立出来ました。

松の文様がスペードの形に見えたりして、可愛らしい絣文様だと思います。
八掛も染の生地を使いましたので、S様の個性がとてもよく出たお着物に仕上がりました。

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オールドバティックの羽織

【中村かをるさん オールドバティックの羽織】

オールドバティックで羽織をお仕立いたしました。
今回はバティック1枚では衿とマチが取れず、衿は別のバティック、マチには紬を使用してのお仕立です。
マチに紬を入れたことによって、全体がきりっと締まりました!
バティックが2枚あればほぼ出来るのですが、必ず出来るとは言えませんし、相性の良い生地でないと全体のバランスがとても悪くなってしまいます。
衿に使用したバティックの残りの布で名古屋帯を作っておられました。

先日、中村さんを含め5名で集まった様子はこちらからどうぞ→中村かをる 創作帯のブログ
皆さまご依頼ありがとうございました!

蝶々柄小紋

【港区S様 蝶々柄小紋】

 

こちらのお着物はS様がご自身で染められたお着物です。
詳しくは→ボンジュールきもの
着物好きなのは存じ上げておりましたが、ブログを拝見すると本当に色々なところへお出かけされていて、とても楽しそうです。
お着物姿もブログで拝見出来ればうれしく思います。

  

格子柄紬 (染織iwasaki作)

【青梅市A様 格子柄紬 (染織iwasaki作)】

染織iwasakiさんの紬をお仕立させていただきました。
格子の出方も色々と悩むところがありましたが、A様とご相談の上決定いたしました。
というのも、手織りの生地は横段を合わせても少しずつずれていってしまうのです。
機械織であれば生地を織る時のテンションは一定に保たれますが、人の手で織るとなるとそうはいきません。
それが手織りの良さでもあると思っています。
最終的には格子の横段を段違いにするという事で落ち着き、この様な柄出しとなりました。
格子の間に入る浮き織が、A様のお優しいイメージと重なります。

反物に関するお話はこちらからどうぞ→A様の格子着尺

   

花菱文様の江戸小紋

【千葉県船橋市K様 花菱文様の江戸小紋】

花菱文様の江戸小紋です。
このお着物は無地の白生地ではなく、松の地模様が描かれた生地を使用しています。
江戸小紋には珍しいのではないでしょうか。
地色は薄黄に淡い珊瑚色の花菱がとても可愛らしく、八掛も花菱と共色に近いお色でお着物を引き立てているように思います。
おしゃれ着というよりも少し改まった感じです。

「江戸小紋を披露宴に着てもよいですか?」
というマナーに関する質問をいただいたりすることがあります。
江戸時代には家紋を入れなくても正装であったという話もありますが、今の時代にそのまま引き継いで良いかというと難しいところですね。
元々は男性の裃ですし・・・

マナーとは相手に対して不快な思いをさせないという事が第一です。
私としては結婚式の様な華やかな場所には、華やかな訪問着や附下をお召しになって頂きたいと思っています。
洋装で言うとアフタヌーンドレス(昼の場合)となります。
お迎えする側は黒留袖やモーニングといった格の高いお着物で迎えてくれているのですから、こちらも相応しいものを着ていかなくてはいけないのではないでしょうか。
自分が何を着たいかという事ではなく、相手の立場を考えると何が相応しいかが分かりやすいのではないかと思います。