お仕立物

花菱文様の江戸小紋

【千葉県船橋市K様 花菱文様の江戸小紋】

花菱文様の江戸小紋です。
このお着物は無地の白生地ではなく、松の地模様が描かれた生地を使用しています。
江戸小紋には珍しいのではないでしょうか。
地色は薄黄に淡い珊瑚色の花菱がとても可愛らしく、八掛も花菱と共色に近いお色でお着物を引き立てているように思います。
おしゃれ着というよりも少し改まった感じです。

「江戸小紋を披露宴に着てもよいですか?」
というマナーに関する質問をいただいたりすることがあります。
江戸時代には家紋を入れなくても正装であったという話もありますが、今の時代にそのまま引き継いで良いかというと難しいところですね。
元々は男性の裃ですし・・・

マナーとは相手に対して不快な思いをさせないという事が第一です。
私としては結婚式の様な華やかな場所には、華やかな訪問着や附下をお召しになって頂きたいと思っています。
洋装で言うとアフタヌーンドレス(昼の場合)となります。
お迎えする側は黒留袖やモーニングといった格の高いお着物で迎えてくれているのですから、こちらも相応しいものを着ていかなくてはいけないのではないでしょうか。
自分が何を着たいかという事ではなく、相手の立場を考えると何が相応しいかが分かりやすいのではないかと思います。