12月2015

麻 絞り着物

【川崎市N様 麻 絞り着物】

冬ですが麻の仕立てもやっています。
シーズンオフに夏物をお願される方は割と多いです。

こちらの反物は藤井絞りさんのお着物だそうです。
美しい着物・冬号の表紙を飾っているお着物を制作されていると、N様からお伺いしました。
美しい着物の表紙のお着物は袷の訪問着でしたので雰囲気は違いますが、全体的に優しい感じがします。
絞りというと鹿の子絞りが有名ですが、絞りの技法は他にも沢山あります。
総絞りまでいってしまうと、私は怖気づいてしまってなかなか手が出せませんが、藤井絞りさんのお着物は、柄と絞りと空間の組み合わせがほどほどに良い感じで、私はとても好印象を持ちました。

 

万寿菊と桜の小紋

【世田谷区K様 万寿菊と桜の小紋】

少しレトロ調のデザインに感じますが、お花が可愛らしい飛び柄の小紋です。
飛び柄の小紋は柄の配置が一番悩むところです。
上手く決まればスッと決まるのですが、決まらないと果てしなく悩む事になります。
今回は反物の長さもありましたので、そこまで悩む事も無く決まりました。
表地がクリーム色の淡いお色でしたので、八掛はきりっと紫色のぼかしで正解でした。
お着物がびしっと引き締まりました!

  

豹柄の着物と羽織

【川崎市Yさま 豹柄の着物と羽織】

豹柄の着物と羽織です。
こちらは2枚共洋服生地からお仕立しました。
着物は木綿なのですが、木綿とは思えない強いて言うなら綿薩摩の様な滑らかな手触りです。
裏地を何にしようか考えましたが、結局共生地の通し裏を付けることになりました。
共生地でお仕立していると、表裏を合わせた後にどっちが表か分からなくなるという不思議な感覚に襲われました(笑)

羽織の方は化繊の生地なのですが、とても暖かくこちらも重宝しそうです。
羽裏も化繊の無地です。

Y様はファッションの一部として着物をお召しになっているので、とても楽しそうに見えます。
やはり自分の好きな物をお召になるのが一番なのだと感じます。

  

浦野理一 (型染小紋 附下 経節紬)

【世田谷区I様 菱形に向鶴文様 小紋】

I様とは、かれこれ2年ほど前にアフリカからメールをいただいてお仕立物をさせていただくようになりました。
昨年、一時帰国の際にお会いして今年1年は日本を満喫していらっしゃいました。
そして今月(12月)はじめにまたアフリカへとお仕事に向かわれました。
そのお仕立物の一部ではありますが、浦野理一作のお着物を3着ご紹介させていただきます。

まずは型染めの小紋。
菱形に向鶴文様と(鳳凰もしくは雨龍)が描かれた小紋。
ご紹介する3枚の内、これだけ袖丈を大きくお仕立いたしましたので、後身頃に共布で接ぎを入れてのお仕立となりました。
接ぎを入れる場合は共布で入れる方がお勧めです。
接ぎ布の柄合わせもなるべく合わせる様に心がけております。

  

【松葉文様 附下】

こちらは附下。
小紋と同じく、浦野理一独特の縮緬生地です。
柔らか物ではありますが、どちらかというとお召に近い感覚です。
決して縫いやすいとは言えない生地なのです。
金砂子が黒地に映えて、華やかなお席にピッタリのお着物ではないでしょうか。

  

【経節紬】

こちらは見ただけで『浦野さん作ですよね。』と言ってしまう縦節紬。
こちらも洗張をして身丈いっぱいでお仕立させていただきました。
172センチあるI様ですが、身丈に関してはあまり長くとらなくてもお召しいただいているので、和裁士としてはありがたい限りです。

 

簪柄の羽織

【世田谷区Y様 簪柄の羽織】

簪柄の羽織と羽裏の柄がとても可愛らしい組み合わせです。
羽織はコートを着る前の季節にとても活躍するアイテムですので、皆様も何枚かお持ちだと思います。
羽織丈は流行りがあり、少し前まではとても長い丈の羽織姿を多く見かけましたが最近は少しずつ短くなってきているように思います。
注文される場合は、膝より上、下などどさっくりとした感じでも構いません。
私の好みとしては膝が隠れる程度がバランスがいいかなと思っております。
Y様もお忙しくていらっしゃるので、なかなかお会いできませんが、お着物をお召しになるお時間を楽しんでいただければ嬉しく思います。