1月2016

明治期 色留袖

【中村かをる様 明治期 色留袖】

梅に鶯の色留袖。
今ではあまり見かけない、平絹の色留袖です。
現代の留袖は殆ど縮緬地が使用されていると思います。

今回は身丈が小さいという事で接ぎを入れてのお仕立となります。
きっと身長145センチ位の方がお召しになっていたのでしょう。
明治期のお着物だと思いますが、コンディションもよくお召しになるには待ったく問題はないのですが、接ぎを入れなければお召にはなれません。
接ぎ布は全て中村さんの方でご用意していただきました。
前後10センチ程度の接ぎを入れてお召になれるサイズとなりました。

新年会にお召しになったというのでとても華やかだったのではないでしょうか。
中村さんの装い

こうやって見てみると、接ぎがデザインとなっていて熨斗目のお着物の様にも見え、これはこれで素敵です。

小川内龍夫作 久留米絣

【港区K様 小川内龍夫作 久留米絣】

重要無形文化財保持者の小川内龍夫作の久留米絣です。

裏地には男物の裏に使用する正花(木綿)をお勧めし、使用させていただきました。
木綿の裏地はごわごわするのではないかとご質問されましたが、ご着用のご感想は問題なかったという事で安心いたしました。

K様は『お星さまの久留米絣』と呼んでおられ、それが何とも可愛いなと思っていました。
満点の星降る久留米絣とでも申しましょうか、楽しさ溢れるお着物です。
お着物も可愛らしいですが、なんと!お子様の餅つき大会でお召しになったそうです。
お着物に慣れていらっしゃるK様だからこそ出来る事ですね。
そんなエピソードも聞かせていただけると、本当にうれしくなります。

   

丸山正作 紬

【港区K様 丸山正作 紬】

渋~いお着物がお好きな方ならたまらないかもしれません。
丸山正さんのファンも多いのではないでしょうか。

丸山さんのお着物は、合わせる帯もきっとコーディネートされているのではないかと思いますが、K様でしたらお手持ちの帯の中にお似合いの物があるのでしょう。
お召になったお姿を是非拝見させてくださいね。

生地は物凄く張があって、縫うのは割と困難なお着物でした(笑)

  

紫根染のお着物 

【港区K様 紫根染のお着物】

紫根染の技法は、江戸時代には南部藩の保護下にありましたが、その技法は明治時代以降、一度途絶えてしまったといいます。
一度無くなってしまったものを復活させるというのは並大抵の事では無い筈です。
経験や感覚を頼りにする作業や工程は簡単には復活できないと思います。
今こうやって紫根染のお着物を手にすることをありがたく思わなければいけませんね。
先人に感謝です。