3月2017

桑原啓之介作 白大島紬

【世田谷区N様 桑原啓之介作 白大島紬】

本場大島紬、桑原啓之介作の大島紬をお仕立ていたしました。
まるで点描画を見ているような細やかさです。
桑原氏は暈しの表現に定評があり、大島紬ではあまり目にしたことのない柄が多いように感じます。

今回のお着物も笹の葉をモチーフにしているのでしょうか、リボンの様にくるっと巻かれた柄がとてもモダンな印象です。
単衣にお仕立ていたしましたが、N様にお渡しした際は「軽いっ!」を連呼されておりました。
単衣の季節に軽やかにお召しになってください。

N様は身長がお高い事もあって、いつも残り布は殆ど出ません。
今回も上手く柄出しが出来てホッとしております。

  

紬屋吉平 萬代紬 単衣

【大阪府O様 紬屋吉平 萬代紬 単衣仕立て】

大阪からのご依頼ありがとうございます。
遠方の方からのご依頼は大変うれしく思います。

かつて銀座にありました呉服店『紬屋吉平』の反物をお預かりしました。
大阪からのご依頼でしたので、メールでも寸法について少々やり取りをさせて頂きましてお仕立てに至りました。

お着物のお色は紅鬱金(べにうこん)色に近い様に思いますが、『日本の伝統色』には紅鬱金色の説明にこうあります。

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”好色一代男”に
「その暮れ方に、色つくりたる女、はだには紅うこんのきぬ物」
とあるように艶めいた色である。
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なんとも想像力を掻き立てられます。

  

鮫小紋 羽織

【世田谷区H様 鮫小紋 羽織】

こちらは何年か前にお仕立てさせていただきました鮫小紋の羽織です。→こちら
羽裏を交換されたいという事で、絵羽の羽裏と思いきや、この羽裏は元々訪問着の裾模様なのです。
H様は「アールヌーボの様なお花の描かれ方が気に入ってます。」とおっしゃっておりました。
お召になっているときにはほとんど見えない羽裏ですが、こうやって見ると羽裏が変わるだけでまるで印象が変わってしまうのがまた面白いところです。

 

ペンギン柄銘仙

【八王子市Y様 ペンギン柄銘仙】

お着物の柄で動物柄は今も昔も人気があり、犬、猫、鳥などは比較的目にする機会はあると思いますが、鳥は鳥でもペンギンはなかなかお目にかかれないのではないでしょうか。
諸説あるようですが、銘仙の発祥は江戸時代、『銘仙』と呼ばれるようになったのは明治時代ではないかと言われております。
大正から昭和の初めにかけて爆発的な人気を誇り、代表的な産地も秩父、足利、桐生、伊勢崎、八王子と数多くあるお着物です。
柄も多種多様で、お花、風景、動物、人物はもとより大胆な幾何学模様まで多岐に渡っており、見ているだけでも楽しめるお着物だと思います。
銘仙のコレクターもいるほど、とても面白い柄に溢れています。

今回も数ある銘仙の中でも面白い柄のお着物に入るのではないでしょうか。
どうぞ長く楽しんでいただきたいと思います。