8月2017

アドラスの羽織

【千代田区O様 アドラスの羽織】


外国布がお好きなO様。
今回はウズベキスタンの生地、アドラスでお仕立てをご依頼いただきました。
アドラスは経糸が絹、緯糸が木綿で織られています。

日本にも太子間道という布がありますが、アドラスがシルクロードを渡って日本に辿り着いたことが分かります。
東京国立博物館アーカイブ→太子間道
現代でも日本では太子間道、ウズベキスタンでもアドラスは織られている布です。
少しずつ形は変わっていくかもしれませんが、これからも長く続いていってほしいと思います。

羽裏はインド更紗。
表の生地ととてもよく合っています。

  

100年前の越後上布

【豊島区S様 越後上布】

こちらの越後上布は、お知り合いの方のお婆様の反物を頂いたそうです。
「多分100年前位の物だと思う。」とS様はおっしゃっておりました。
およそ100年前というと大正時代の初め頃です。
私の祖母が生まれた頃だと思うとかなり昔ですね。
祖母の育った時代、写真を見ても着物姿の方が多く、殆どの方々は着物で生活していた時代です。

これだけ大きな亀甲文様になると、120亀甲、140亀甲の様な繊細な技を織り込んだ反物とは違った素朴な美しさを感じます。
着物で生活していた時代と、趣味で着物を着る現代とでは何を着物に求めるのか、きっと違うものだと思います。

お着物は着ている人がいて初めてその美しさが出てくるものだと常々思っています。
これからも長く楽しんで欲しいです。

  

遠藤関柄 浴衣

【狛江市T様 遠藤関柄 男物浴衣】

遠藤関柄の浴衣をお仕立ていたしました。
歌舞伎の隈取の意味が分からなかったのですが、スポンサーに関係しているのですね。

同じ反物でご主人用と奥様用で2枚お仕立てさせていただきました。
お出かけになるというよりも和のお稽古事にお召しになるようです。

7月の名古屋場所では遠藤関は途中休場してしまいましたが、9月場所は頑張ってほしいですね。