質問

お直しする価値

これからお着物を着てみようかな、もしくはまだまだ初心者で、という方々の質問で1番多いのが
「これってお直しする価値がありますか?」
お直しする価値が有るか、無いか。
それの意味する所は、着物自体の価値が有るか無いかという事なのだと思うのですが、それはご本人にしか分からない事なのです。
高かったから、作家物だからお直しする価値があるわけではありません。

こう考えれば良いと思います。
『本当にその着物を着たいか。』

例えば、形見で譲り受けた着物。
傍目から見たらボロボロに見えます。
ですが、ご本人にしたら「なんとかして着たい!」という方もいらっしゃいます。
そういう方には本当に力になってあげたいと思います。

最初のうちは、『着物を着る』という事が楽しくて色々購入してしまうかもしれません。
ですが、時間が経つにつれ1枚1枚吟味して購入するようになると思います。
着物を見る目と自分の趣味が固まるのには少し時間がかかるかもしれませんが、それも勉強と割り切って。

気に入って買ったのにあまり着ない・・・
なんて事が少しでも無くなる様にしたいですよね。

桜吹雪 訪問着

【東京都 江東区在住 Y様】

前回アップした総絞り訪問着と同時にこちらのお仕立ても依頼して頂きました。
夜桜が風に舞い散る情景がとても豪華に描かれています。

桜は日本を代表する花ですが、よく「桜の咲く季節しか着れませんか?」と質問されます。
基本的には桜に限らず、季節物は先取りが粋とされます。桜が満開の時に桜の着物を着るのは少々野暮かもしれません。
ですが「桜の着物を来て出かけましょう!」という機会があった場合、それが桜の終わりかけの時期だったとしてもお断りするよりもその状況に合わせてお召しになって頂く方がかっこいいでしょう。

日本料理にも “先取り” “旬” “名残” がある様に、季節感を楽しむ(感じる)という事が日本人の素晴らしい所だと思います。
季節を考えながらお着物や帯を選んでいくのも楽しいものです。