小紋

総絞りのお着物

【大田区K様 総絞りのお着物】

絞りのお着物をお仕立てする時は、裏打ちをされるかお伺いしております。
特にお尻の辺りや膝の辺りはポコッと伸びたりすることがあり、それを防止するための予防策です。
今回はお着物全体ではなく、腰から下の部分にのみ裏打ちをいたしました。
表からは分からない様に小さく糸目を出し、極薄の羽二重を留めていきます。
やり始めると割と時間がかかる作業で、昔は裏打ちだけを専門に行う職人さんがいらしたとか・・・

私としては絞りにそれほどやりにくいイメージはなく楽しくお仕立てさせていただきました!

  

芹澤銈介 附下小紋 2枚

芹澤銈介氏の附下小紋を2枚お仕立てさせていただきました。
草花文様のお着物は4月、小川紙漉村文様は9月末にお渡しいたしました。
N様の寸法には少し足りませんでしたが、「着付けで何とでもできますから。」とおっしゃっていただきました。

先日、N様とお話しさせていただいた時には「着物の落ち感がとてもいいです。」とのお言葉をいただきました。
生地によるところも大きいとは思いますが、大変うれしいお言葉です。
因みに生地は昔の濱ちりめんで、とても硬い生地。
柔らか物とは名ばかりです。

【芹澤銈介 草花文様 附下小紋】

  

【芹澤銈介 小川紙漉村文様 附下小紋】

  

小紋3枚

【港区S様 小紋3枚】

小紋3枚をご依頼いただきました。
お母様がお召しになっていたお着物のお仕立て直しですので、サイズが少し足りなかったところもあるのですが、そこはS様の着付けの腕前でカバーされると思います。

お届けした際には「久々に見たらやっぱり派手ですね。」とおっしゃっておりましたが、S様にはお似合いのお着物だと思っております。

私の七歳の七五三もこのような生地の小紋柄で仕立ててもらいました。
光沢のある生地なので、それだけでも華やかに感じますね。

【几帳柄小紋】

  

【蝶々柄小紋】

  

【花車柄小紋】

  

蝶々と藤の小紋

【中村かをる様 蝶々と藤の小紋】

HP休止中にお仕立てしたものですが、中村さんのブログで(だいぶ前ですが)ご紹介いただいております。→中村かをる創作帯屋
アンティーク好きの中村さんらしい1枚です。
アンティークの魅力はやはり、今の物にはない文様と柄の大胆さなのではないかと思います。

昔のお着物はお仕立てするには、難しかったりすることもあるのですが、出来上がってしまうとそれを上回る充実感があります。
存在感は抜群ですね。

  

雪輪文様小紋

世田谷区N様 雪輪小紋

雪輪文様がお好きだというN様。
N様に限らずこの文様がお好きな方は多いのではないでしょうか。

N様は身長がお高いので(168センチ)、上前衽の柄をやや高めに配置しております。
飛び柄の小紋の場合、柄に配置には気を使います。特に上前の柄出しは、その方の身長により変えていかないとおかしなバランスになるので大きなポイントになる所です。

  

万寿菊と桜の小紋

【世田谷区K様 万寿菊と桜の小紋】

少しレトロ調のデザインに感じますが、お花が可愛らしい飛び柄の小紋です。
飛び柄の小紋は柄の配置が一番悩むところです。
上手く決まればスッと決まるのですが、決まらないと果てしなく悩む事になります。
今回は反物の長さもありましたので、そこまで悩む事も無く決まりました。
表地がクリーム色の淡いお色でしたので、八掛はきりっと紫色のぼかしで正解でした。
お着物がびしっと引き締まりました!

  

豹柄の着物と羽織

【川崎市Yさま 豹柄の着物と羽織】

豹柄の着物と羽織です。
こちらは2枚共洋服生地からお仕立しました。
着物は木綿なのですが、木綿とは思えない強いて言うなら綿薩摩の様な滑らかな手触りです。
裏地を何にしようか考えましたが、結局共生地の通し裏を付けることになりました。
共生地でお仕立していると、表裏を合わせた後にどっちが表か分からなくなるという不思議な感覚に襲われました(笑)

羽織の方は化繊の生地なのですが、とても暖かくこちらも重宝しそうです。
羽裏も化繊の無地です。

Y様はファッションの一部として着物をお召しになっているので、とても楽しそうに見えます。
やはり自分の好きな物をお召になるのが一番なのだと感じます。

  

浦野理一 (型染小紋 附下 経節紬)

【世田谷区I様 菱形に向鶴文様 小紋】

I様とは、かれこれ2年ほど前にアフリカからメールをいただいてお仕立物をさせていただくようになりました。
昨年、一時帰国の際にお会いして今年1年は日本を満喫していらっしゃいました。
そして今月(12月)はじめにまたアフリカへとお仕事に向かわれました。
そのお仕立物の一部ではありますが、浦野理一作のお着物を3着ご紹介させていただきます。

まずは型染めの小紋。
菱形に向鶴文様と(鳳凰もしくは雨龍)が描かれた小紋。
ご紹介する3枚の内、これだけ袖丈を大きくお仕立いたしましたので、後身頃に共布で接ぎを入れてのお仕立となりました。
接ぎを入れる場合は共布で入れる方がお勧めです。
接ぎ布の柄合わせもなるべく合わせる様に心がけております。

  

【松葉文様 附下】

こちらは附下。
小紋と同じく、浦野理一独特の縮緬生地です。
柔らか物ではありますが、どちらかというとお召に近い感覚です。
決して縫いやすいとは言えない生地なのです。
金砂子が黒地に映えて、華やかなお席にピッタリのお着物ではないでしょうか。

  

【経節紬】

こちらは見ただけで『浦野さん作ですよね。』と言ってしまう縦節紬。
こちらも洗張をして身丈いっぱいでお仕立させていただきました。
172センチあるI様ですが、身丈に関してはあまり長くとらなくてもお召しいただいているので、和裁士としてはありがたい限りです。

 

更紗風小紋

【川崎市Y様 更紗風小紋】

前回の羽織と同じく川崎市のY様のお仕立物です。
バティックのブロックプリントの様な文様で、オリエンタルな雰囲気が楽しめるお着物です。
八掛はこちらで新しいものをご用意させていただきました。
明るめのからし色が、お着物を少し華やかにしているように思います。

先日いらして頂いた時はご夫婦で行かれたスペイン旅行のお話をしてくださいました。
これからも、お着物やご趣味など色々と楽しんでください。

  

紅型風 小紋

【目黒区K様 紅型風小紋】

こちらのお着物はお母様のお着物だったという事で全体がとても小さく、接ぎを入れてお仕立させていただきました。
接ぎを入れる場合、基本的には共布を使用し、着用時に見えないところは別布という形をとっています。
今回は後身頃、上前身頃に共布、下前身頃には別布を使用しました。
幸運にも似た様な生地が手に入りましたので、下前身頃にはそれを使いました。

接ぎを入れるかどうかというのは迷う所でもあると思いますが、こうやってまたお仕立て直しをしてお召しになれるという事は着物以外ではなかなかないと思います。
それにお母様がお召しになっていたというのですから、K様の思いも重なり、更に愛着がわくのではないでしょうか。