単衣

男物 単衣羽織

【目黒区K様 単衣羽織】

前回と同じく目黒区K様のお仕立物です。
絹紅梅の生地でしょうか。こちらの生地はK様の方で染めに出されたものです。
男性の方は着流しでお召しになるのが気恥ずかしいとおっしゃる方が多いです。
袷、単衣共に羽織をお持ちになっているととても重宝すると思います。
羽織とお着物の色合わせも楽しいところ。
お着物は透ける素材でしたら濃い目の生地でも涼しく感じ、羽織から着物のお色が透ける事で更に涼しさを感じるというとてもおしゃれなお召し物です。
紗合わせはその典型だと思います。
前回掲載した大島の単衣と重ねてお召しになるとおっしゃっておりました。

 

無地染 男物大島紬

【目黒区K様 男物大島紬 単衣】

大島紬の白生地を引き染めしてお仕立てしました。
シルバーに近い薄いグレーで、大島紬の光沢感と重なりとてもきれいなお色に染め上がったと思います。
大島紬は浸染で染めると生地の特質で染めムラが出てしまうので、必ず引き染めで染めをお願いしています。
白生地も細かいみじん格子の織が入っており、全くの無地ではないので生地の表情が出ているのではないでしょうか。
今回の大島の白生地は『仕立屋 凛』でご用意させていただきました。

  

こちらはご一緒にご依頼いただいた麻の長襦袢です。↓

格子柄紬 男物単衣

【江東区W様 格子柄紬 男物単衣】

江東区時代からのお客様のW様。
数少ない男性のお客様ですが、かれこれ7,8年のお付き合いになるでしょうか。
江東区の時はいつもいらして頂いたのですが、世田谷区に引っ越してからはそういうわけにもいかず宅急便でのやり取りにとなりました。
引っ越してからも、こうしてご依頼を頂けるのは本当にうれしく思っています。
いらして頂いた時もそうでしたが、いつも何かしらお菓子を持ってきてくださいました。
そして、今でも宅急便の荷物の中にはお菓子を入れて送ってくださいます。
お心遣いに感謝いたします。

                     ↓ご一緒にお仕立てした長襦袢

戦争柄 男物小紋

【港区M様 戦争柄 男物小紋】

戦争柄とは言えど、可愛らしいおもちゃの様な柄。もちろん戦前の生地です。

M様は趣味性が高い柄がお好きで、以前は某ブランドのモノグラム柄の浴衣をお仕立てさせていただいた事があります。
最初に見た時はさすがにびっくりしましたが、カッコ良かったですね。
その浴衣で飲みに行くと、よく写真を撮られます。とおっしゃっておりました。
お仕事がデザイン系なので、やはり個性的な柄がお好きなのかなと思っております。
以前、私が森下に住んでいた頃は富岡八幡宮にソフトビニール(ソフビ)の人形を探しに行った帰りに寄って下さったのを覚えております。

戦争柄についての記事→こちら

スーツ用ウール地から男物にお仕立て

【文京区H様 ウール地単衣着物】

男物の単衣をお仕立てさせていただきました。
いらしていただいたときは、沢山の紳士物のスーツ地を持っていらして下さいました。
日舞やお茶もされるそうでお着物を増やしたいという事と、スーツ地を沢山頂いたのでこれを着物にして有効活用されたいとのことでした。
お着物に向いている生地を選び、今回は単衣の羽織を2着、単衣のお着物を1着お仕立てしました。
ウールは殆どが単衣仕立てですが、冬もお召しになれます。
ウール生地をお持ちの方はお着物にもできますので検討してみても良いですね。

そういえば私の祖父も冬になるとウールの着物を着ていたのを思い出しました。

  

西陣お召し 単衣陣羽織と女物単衣

【神奈川在住 W様ご夫妻】

ご夫婦でお着物をお召しになられるって素敵ですね。私もたまにお着物でご一緒させてもらったりしています。
今回はそんな夫婦仲睦まじいご夫妻のお着物をご紹介させて頂きます。

今回は、ご主人の単衣の陣羽織と奥さまの単衣。
2枚とも西陣お召しでお仕立しました。少し凹凸がある生地は着ていても気持ちよさそうです。
ご主人の羽織の方は2枚の生地で仕立てています。無地と柄部分を組み合わせてお仕立しました。

以前、羽織のお仕立てでハギについてお話しさせていただきましたが、デザインとして捉えると良い一例です。
あとは考えなくては行けない事は生地の相性。かなり大切です。

奥さまの単衣は菜の花の様な柔らかい黄色。
晩春には蝶々の様に、初秋には菊の花のイメージでお召しになってもいいかもしれませんね。そういう風に考えるとコーディネイトも楽しくなります。

西陣お召し証紙。