仕事の話

お客様のご要望にお応えする為に必要な事

前回のブログでお話しした事を解決する為に必要な事。

M様のご希望のお仕立は前幅に関して裾から腰にかけて広がり、腰から胸にかけて狭くなり、胸から肩山にかけて広くなるという直線の曲がりが多くなるお仕立てになります。
着物を仕立てるにあたって曲がる箇所が多い、曲がりの角度が急である寸法で縫う事は簡単ではありません。
紬の様な硬い生地は特に。
着物のお仕立は洋服の様に縫い代をカットしないので曲がりが多いと縫い代の処理が難しくなるのです。ですから縫い代をいかに上手く処理できるかというのも仕立屋の腕になるのです。

けれども、私はこの寸法で仕立てた事はありません。ですが、やった事が無いのに「できません!」と言ってしまうのはおかしい事です。
M様のご提案を私としては自分自身の大きなチャンスとして捉えたいと思ったのです。

和裁所で仕立て(技術)を教えて下さった先生は師匠でした。
これからの先生はお客様であると思わずにはいられませんでした。
お客様のご要望にお応えする為に必要な事は、まずは既成概念(思い込みを)無くすという簡単な答えだったのです。

+++次回に続く