日本の伝統・文化

型紙彫り師の増井一平氏の作品

日記の方、またしてもだいぶ長い間お休みしてしまいました。すみません。

さて、今回は型紙彫り師の増井一平氏の型紙(お着物)のご紹介をさせて頂きます。
今までは古典柄などを彫っておられたそうですが、現在はご自身のお好きな物を創作されたいという事で活動をされていらっしゃるそうです。
現代と古典の感覚が程よくミックスされていているように思います。

増井一平氏の経歴→こちら

作品の一部ですが画像をご紹介させていただきます。

画像をクリックすると柄が良く見えます。

雨音


何処に

たまゆら

紙雪

桐紋

お色の方はお好みのお色に染められます。
ご注文を承れますのでご興味のある方はご連絡ください。

きものカンタービレさんのブログで増井氏のお話が詳しくUPされております。
増井一平先生の実演
雨音のお誂え
「きもの研究会」増井一平先生のお話

耳寄りな・・・朗読会@内幸町ホール

『朗読会』と聞くと、なんとなく眠くなりそう・・・なイメージがありますが、誘ってくださったお客様も「朗読会と聞くとつまらなそうだけど、面白いですよ。」とのコメントも頂いたので、ご一緒に内幸町ホールまで行ってきました。
ホールの座席をざっと見渡してみると、多分私が最年少の様です。ほぼ60歳以上の方々。
出演されている、河崎早春さんのお仕立物もさせて頂いているご縁もあり、期待大です。

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河崎早春さんと松尾智昭さんお二人の朗読会。

朗読の内容も昭和初期?のお話しなのだと思いますが、なんというのでしょうか、文章の内容が情感に長けているというか、情緒に溢れているというのか、聞いているととても心が豊かになるのです。
その当時の会話の中には、今は使われていない言葉などがあり、これも面白い。
そして、お二人の絶妙な掛け合い。
出演者の方もおっしゃっておりましたが、「死語になっている言葉って多いんですね。」と。
今の様にテレビが全盛ではない時代は想像力がものを言ったのでしょう。
言葉の力が比べ物にならないです。

今回は普通の朗読会でしたが、ピアノを弾きながらの朗読会などいろいろ面白い事をやっているそうです。
次回も決定したそうで、2018年1月8日、同じく内幸町ホールです。
本当に楽しい朗読会でしたので、ご興味のある方は是非観に行ってみてください。

11月大歌舞伎 中村芝翫襲名@歌舞伎座

10月から2か月間行われております、中村芝翫襲名披露公演を観に行ってきました。
お客様のN様に6列目の花道側という良席を取って頂き、ご一緒にさせて頂きました。

襲名記念の幕は佐藤可士和氏のデザイン。
猿之助さんの時は福山雅治さんデザインでしたね。→こちら

襲名披露での楽しみの一つでもある『口上』。
仁左衛門さんの正面だったもので、テンションが上がります⤴

先代の芝翫さんは女形でしたが、前・橋之助さんに名前を継いでもらいたいという遺言もあったようです。
大名跡を継いだ新・芝翫さんにこれからも期待しております。

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それにしても今回の夜の部は9時20分までという事で終演時間が遅く、終わったころにはお腹がペコペコに・・・
N様が歌舞伎座近くのビストロを予約していてくださったので、すぐにお食事をいただく事が出来ました。
お食事からN様のご主人も合流し、3人での楽しい時間でお腹も心も満たされました!
N様に全てお手配いただいて本当に感謝です。

私がお仕立てしたお着物姿も拝見できましたので、それにも感謝です。
着姿のチェックもできました!

二月大歌舞伎@歌舞伎座

【因果応報】
本来は、よい行いをしてきた者にはよい報いが、悪い行いをしてきた者には悪い報いがあるという意味だったが、現在では多く悪い行いをすれば悪い報いを受けるという意味で使われている。
仏教の考え方で、原因に応じた結果が報いるということ。
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と辞書にはあります。

何事にも原因があり結果があります。
良い種も悪い種も全部芽が出てくるもので、なるべく良い種を蒔かないといけないなと考えることがあります。
自分を顧みる言葉として、この言葉を時折かみしめたりしています。

【籠釣瓶花街酔醒】
観終わった後、因果応報の言葉がまず頭に浮かんできました。
この演目を観終わった後、余韻が薄れるのが嫌で次の演目を観ずに家路につきました。

佐野次郎左衛を騙した花魁八つ橋は、とても大きな代償を支払う事になってしまいます。
原因があり結果があるという事なのです。

宮治本舗エピソードⅢ@内幸町ホール

東京には雪の予報も出ておりましたが、結局雪は降らず冷たい雨模様。
そんな中、あくあ屋さんを誘い、桂宮治さんの独演会へ内幸町ホールへ行ってきました。

というのも、昨年末に見た赤めだか
その後、漫画昭和元禄 落語心中にはまり、なんとなく落語熱が高まっておりました。
宮治さんは一度、成城ホールで落語を聞きまして、また何かの機会に聞きに行きたいと思っておりました。
私が落語がどうのと言えるほどの者ではありませんが、宮治さんは何というか、愛すべきキャラクターですね。
是非また聞きに行こうと思っております。

明治生命館@丸の内

先日、和裁所の後輩と食事をするために丸の内へ。
予定時間よりも早く着きすぎてしまったので皇居周りをブラブラしていたところ、明治生命館見学できますの文字がふと目に入る。
20分位の余裕があったので駆け足で回れるだろうと、とりあえず中へ入ってみる事に。
ガードマンの方に「そちらのエレベータから2階の受付に行ってください。」と促されエレベーターに乗り込む。
そのエレベーターからして重厚。

見学コースは1,2階の吹き抜け部分をぐるっと回廊式に回る様に設定されていました。

まずは廊下。
周りは大理石です。

天井の彫刻も素晴らしく、ずっと見上げておりました。

応接室。
昭和初期に流行したスパニッシュ様式を取り入れた設計。※パンフレットより抜粋。

階段。窓から差し込んでくる光さえ重厚に見えます。

季節柄の絨毯。他に紅葉、桜などの文様。

明治生命館は、戦後はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に接収されており、建物の隅々まで歴史の記憶が刻印されている様です。

本当に駆け足でしたがぐるっと見て回る事が出来ました。
公開は土日のみの様です。

その後、食後のコーヒーについてきたコーヒーシュガーが可愛くてこれも思わず写真を撮ってしまいました。

新春浅草歌舞伎@浅草公会堂

本来の冬の気温に戻った東京は寒かった!
朝方は雪がちらついたとニュースで知り、寒い訳だなと納得しておりました。

久しぶりの浅草でちょっとテンションが上がりましたが、やはり外国人多し!
雷門の前は外国語が行き交っており、平日でありながらかなりの混雑ぶりです。

浅草に来たのなら、亀十さんのどら焼きを購入しよう!と心に決めておりましたで、行列必死で購入いたしました。
ですが行列はしていたものの、10分ほどで購入きましたのでそれほど苦にはならず。
平日だからかもしれませんね。

さて、久々の浅草歌舞伎。
前回は何年前だったか・・・現・猿之助さんがまだ亀次郎さんだった頃に観に行ったきりでした。
もう10年前位になるのかしら、と思い調べてみたら13年前の2003年の浅草でした。
そしてその時も今回と同じく、『義経千本桜』の演目がありました。
こういう源九郎狐の様なアクロバット的な要素もある役は若いうちしかできないのだろうなと思います。
それと同じく、きっと年齢を重ねないとできない役もあるはずですし・・・
こうやって見比べる事が出来る様になるのも面白いところです。
只、最後に宙乗りが無いとなんとなく淋しい感じですね・・・

東海道四谷怪談@国立劇場

お客様のN様ご夫妻とI様の4人で観に行ってまいりました。
前評判が良いと聞いていたものの、期待を上回る面白さでした。

四谷怪談と忠臣蔵は何のつながりがあるのかと思っておりましたが、四谷怪談は忠臣蔵の外伝(今でいうスピンオフ)です。
幸四郎氏演じる民谷伊右衛門。
忠臣蔵の四十七士には入らなかった(脱落した)浪人のお話。
ですので、四谷怪談を12月に演じるのにはちゃんと理由があるのです。

染五郎さんも久々に拝見しましたが、お岩さんを見事に演じていたのではないのかと思います。
なんというか、セリフのないシーンにとても引き付けられました。
例えば、伊右衛門からもらった薬(毒)を飲むシーンの表情であるとか、有名な髪漉きのシーンなど見ていてゾッとするものがありました。

休憩を挟んでの5時間という長いお芝居でしたが、時間を感じさせることもなくあっという間。
歌舞伎座でも再演を是非ともお願いしたいところです!

老舗とは

“花いけバトル”というイベントが開催されているニュースがありました。
制限時間内に同じ花器、同じ花を使い二人のバトラーが花をいけていき、より多くの観客の支持を得た方が勝者。
出場している方は、有名なお花屋さんや華人の方々です。
ニュースで見たのは京都の東寺で開催された映像が流れておりましたが、東京でも開催されている模様。

もう一つ。
唐紙で有名な京都唐長。こちらはBSの番組で拝見。
今の当主は12代目だそうですが、唐紙の需要は年々減っていき、今京都で唐紙を扱う唯一のお店。
というのも唐長は国宝でもある神社仏閣の唐紙を扱い、倒産することが許されないのだそうです。

どちらのナレーションでも言っていた事が
『和室の減少により、需要が削減。』
お花も唐紙も和室ありきなのでしょうか。

そして、もう一つ。
江戸時代から続く京都の漬物屋さんのお話。
今の時代に合う漬物を開発し続けていると当主は話されておりました。
江戸時代に作られていた漬物は、はっきり言って現代人の口には合わないそうです。
今の時代に合う物を開発していかないと、いつまでも時代遅れの物を作り続けていく事になると・・・

いかにも”和”という事柄は”洋”と上手くコラボレーションする事が鍵なのかもしれません。
老舗の当主であるとともに、クリエイターでなければ生き延びていけないのでしょう。

漬物屋さんのナスのワイン漬はとても美味しそうでした。
確かに江戸時代にワイン漬けはないでしょうし・・・

文楽鑑賞教室@国立劇場

お客様に誘われて文楽鑑賞教室に。
私にとって文楽はまだまだ未知の世界。
鑑賞教室があるというのは初心者にとって、とてもありがたいものです。

演目は【二人禿】と【三十三間堂棟由来】
その間に解説が入ります。
解説は太夫、三味線、人形遣いについて。
どれも本当に基本的な事を面白く解説してくださったので楽しく見ることができました。

それにしても文楽鑑賞教室は若い方が多い!
鑑賞教室だからなのか、歌舞伎とは比べ物にならない位の年齢層。
そして外国人の方も割と多くお見かけしました。

私が初心者だからなのか、どうしても人形ではなく人形遣いに目がいってしまいます。
慣れていけばきっと人形だけに集中できるのでしょう。

また、これからも機会があったら鑑賞教室に行ってみたいと思っております。
そして三十三間堂棟由来に出てくる柳の精の”お柳”さんの着物の色はやっぱり柳葉色なのでしょうか。