絞りの羽織
【茨城県Y様 絞り羽織】
朱赤の色鮮やかな絞りの羽織をお仕立させていただきました。
絞りは殆どが1色で染められているのにこれだけ豪華な雰囲気が出せるのはいつもながら驚きます。
さて、今回はお着物ではなく羽織のお仕立てでご依頼頂きました。
絞りのお着物はまず巾出しをしなくてはなりません。
絞りの生地は絞りを延ばして反物の巾にしてからのお仕立てになります。最初の状態よりも2倍位の巾に広がります。
それと重要なのは裏打ちをする事です。
どうしてもしなければいけないわけではありませんが、生地の伸縮を防ぐために是非して頂きたい加工です。
裏打ちと言うのは仕立てる前の反物の状態で行います。
裏打ち用の羽二重(オーガンジーの様に薄い物です)を絞りの生地の裏にあて、表地と重ねて縫いつけていきます。
絞りは着ている内におしりや膝の部分が伸びてきます。それを防ぐためのものですが、こればかりはお仕立する前でないと出来ません。
安心して長くお召し頂くために最初に少しだけ手間をかけてみてください。
お着物の場合、全体に裏打ちをするのが嫌な場合はおしりから下の部分のみ付けることもできます。
2011年11月2日00:21| カテゴリー:お仕立物,仕立てとお直しに関するお話,女物,羽織,袷