仕立てとお直しに関するお話

ジャストサイズに近づく為に

前回、絵羽物の身巾についてお話をさせていただきましたが、ご自分の寸法を本当にご存じのお客様はとても少ないと思います。

今現在呉服屋さんやデパートなのでお着物をお仕立されると大体大きい寸法で上がってくると思います。
もちろんご自分のジャストサイズが分かっている場合は除きます。
と言うのも、“大は小を兼ねる”の法則でお着物は大きければ着る事が出来てしまうからです。
お客様から頂く寸法表を見て『こんなに大きくて着づらくないのかしら?』と思う事が多々あります。
誰でも最初にお仕立物をお願いする時があったはずです。
その時に出してもらった寸法がご自分の寸法だと思っている方がとても多い事に驚かせれました。
最初からジャストサイズになればもちろん良いと思いますが、呉服屋さんを通している場合、和裁士には分からない事が沢山あります。
和裁士に直接会う事が出来なければ、信頼のおける呉服屋さんに行ってご自身の着姿を見てもらう事をお勧めします。
もちろん、着物のスタイルは多種多様。おはしょりを多く取る方もいれば、身巾も一概に「これ!」とは言えない物です。
そして生地感やライフスタイルでも寸法は変わる物だと思います。
お仕立てをお願いする際はご自分の着姿のお好みや、注文をどんどんしてください。
出来ればお会いして寸法を測らせていただくのと共に、出来上がったら着姿を拝見させて頂きたいと思っています。
その上で、お客様とのやり取りを重ねていって〝ジャストサイズ”が手に入る物だと思っています。

恥ずかしながらお客様の採寸を自分でする様になってから気づいた事です。
お客様から勉強する事、教えられる事が沢山あります。