お仕立物

生紬 単衣仕立て

【世田谷区N様 生紬】

証紙(織出し)を見ると座繰とあります。
座繰とは歯車のついた(中にはついていないものもあります)糸巻で糸を紡ぐ機械です。
ネット検索すると画像が出てきますので、興味のある方は検索してみてください。
この生地がとてもハリがあり、縫うのにも根気が必要でした(笑)
生紬とは精練をあまりしない紬糸を使って織った生地という事になりますが、それがこの生地の味わいとして出ているのでしょう。
素朴ですが、紬本来の感触がある様に思います。
『一昔前の結城紬もこの様な感触だったのかも。』そんなことを思いながら縫っておりました。

N様には合わせる帯のご相談も受けましたが。
許容範囲の広いお着物ですが、『普通に合わせるよりも個性的な帯を合わせた方がN様にお似合いになると思います。』
とアドバイスさせていただきました。長く楽しんでいただきたいです。