その他のお話

附下

【マレーシアN様 附下】

マレーシアにお住まいのN様。
年に何度かは海外にお住まいの方からのご依頼があります。
今回の様に海外発送の方もいらっしゃれば、帰国した際に受け取り希望の方もいらっしゃいます。
お問い合わせがあった国としてはアメリカ、アフリカ、マレーシアなど本当にネットは世界につながっているのだと実感します。

N様とはLINEでやり取りをしましたが、採寸が出来ないためにご自身でサイズを測って頂いたのはもちろんですが、着用時のお写真も送っていただきました。
画像がある事で身幅などを決める時にはとても参考になりました。
こうやって簡単にやり取りが出来る様になっていることもすごい事です。

洗張りからお仕立てまでをさせていただき、仕立て上がったらお送りするというところまでは日本のお客様とは同じです。
後は発送のみ。

無事に届くようにと送りましたが、ちょっとしたトラブルも・・・
この商品は商用ではないかという事で、マレーシアの税関で止められてしまうという事態が発生。
N様にはお手数ながら税関まで足を運んでいただく事になってしまいましたが、無事にお手元に届いたというお知らせをいただきました。
秋にはロンドンのご実家に行かれるそうで、このお着物でオペラ鑑賞などされるそうです。

 

飯島桃子さん 単衣紬 刺繍紋付

【飯島桃子さん 単衣紬 雪輪に桜覗き刺繍紋】

友人でもある飯島桃子さんのお着物のお仕立てです。
紬の生地をこげ茶色に染めて単衣にお仕立てしました。(染は飯島さんの方でご注文です。)

刺繍作家ですので、しゃれ紋はもちろんご自身作。
飯島さんの刺繍は色合いとやさしいデザインで、女性ならではの刺繍ではないでしょうか。

お仕立て後にいくつかの刺繍紋のサンプルをいただきましたので、『仕立屋 凛』でもご紹介できたらいいなと思っております。

毎年、横浜三渓園で行われております”日本の夏じたく展“が今年も開催されます。
飯島さんももちろん出店されています。

 

三歳 ヘアメイク

昨日から引き続き、Iちゃん。
ヘアメイクは私がずっとお願いしている清水さんにお願いすることになりました。
T様とご相談の上、日本髪風のアレンジに決定。

出張も引き受けてくれますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
清水さんは、銀座の美容院で働いています。

清水章代さん Facebook

錦紗 単衣附下

【世田谷区T様 秋の花々の図 単衣】

錦紗地に秋の花々の文様が描かれた単衣のお着物です。
今の単衣の着物は袷の裏地が付いていないものを単衣としていますが、ひと昔前は単衣用の生地がちゃんとあったのです。
よく「単衣にするにはなんの生地がいいですか?」と質問されますが、実際難しい所です。
この様に盛夏ではないけれど、まだ暑さが残る時期にお召しになれる着物は今では貴重です。

 

市松柄羽織

【葛飾区H様 市松柄羽織】


市松柄の着尺から羽織をお仕立させていただきました。
市松柄は人気ありますね。
市松柄は小紋柄になるのですが、実際は総柄合わせに近いとても仕立屋泣かせの柄なのです。
着物の場合、全ての市松を合わせる事もあるのですが、繰越から内揚げの分量から衽に揚げを付けたりと、仕立てる前に考えなくてはならない事、実は結構あります。
衿肩明きを開ける大きさ、繰越の寸法でも変わってきてしまう微妙なものもあるのです。
やる事は絵羽物の訪問着と一緒です。

羽裏は洗張をしたお客様の長襦袢を使いました。
やりくりできるのも着物のいいところです。

 

加賀友禅色留袖 比翼付き 

【目黒区 H様 色留袖】

叙勲式にお召しになる加賀友禅色留袖の比翼付きをお仕立させていただきました。
そのようなお仕立物をさせていただくのはうれしいですね。

さて、皇室関係のお祝い事の第一礼装は黒留袖ではありません。
黒色は喪服でのみ使用されるそうです。
本来は5つ紋が正式ですが、最近では3つ紋でも問題ないとの事。
紋入れもこちらで承れます。今回は下がり藤を日向紋でお入れしました。留袖は殆どが日向紋です。
・紋入れ1つ紋 10000円~
・紋入れ3つ紋 21000円~
・紋入れ5つ紋 30000円~

加賀友禅は金糸や箔が入ることなくどちらかと言うと控えめな色使い。
絵画の様に描かれているのが特徴です。

色留袖は親族の結婚式などでお召しになれます。
その場合は3つ紋以上。
紋を入れない場合、訪問着と同格になります。実際に色留袖に紋を入れないでお仕立する事はよくあります。
その場合、比翼は付けません。
訪問着仕立てにされる場合は親族の結婚式での着用は出来ませんが、ご友人の結婚式なら着用出来ます。(本来の訪問着と一緒です。)

  

余談ですが・・・
皇室の方々は伊勢神宮などを訪問される場合は礼服です。
女性ですとローブデコルテと言われるドレスをお召しになります。
ですから神宮などにお参りをする際は、本来ならば正装をするのが好ましいのです。