総絞りのお着物

【大田区K様 総絞りのお着物】

絞りのお着物をお仕立てする時は、裏打ちをされるかお伺いしております。
特にお尻の辺りや膝の辺りはポコッと伸びたりすることがあり、それを防止するための予防策です。
今回はお着物全体ではなく、腰から下の部分にのみ裏打ちをいたしました。
表からは分からない様に小さく糸目を出し、極薄の羽二重を留めていきます。
やり始めると割と時間がかかる作業で、昔は裏打ちだけを専門に行う職人さんがいらしたとか・・・

私としては絞りにそれほどやりにくいイメージはなく楽しくお仕立てさせていただきました!

  

水辺文様 刺繍の訪問着

【千葉県習志野市Y様 水辺文様 刺繍の訪問着】

Y様の姪子さんのお着物です。
最初はY様ご本人用にという事でしたが、急遽姪子さん用に変更。
姪子さんは身長170センチで、ぎりぎりの身丈でしたが腰紐で調節してお召しになってくださいとお伝えしました。

文様は全て刺繍という凝ったお着物です。
長く楽しんでください。

 

アドラスの羽織

【千代田区O様 アドラスの羽織】


外国布がお好きなO様。
今回はウズベキスタンの生地、アドラスでお仕立てをご依頼いただきました。
アドラスは経糸が絹、緯糸が木綿で織られています。

日本にも太子間道という布がありますが、アドラスがシルクロードを渡って日本に辿り着いたことが分かります。
東京国立博物館アーカイブ→太子間道
現代でも日本では太子間道、ウズベキスタンでもアドラスは織られている布です。
少しずつ形は変わっていくかもしれませんが、これからも長く続いていってほしいと思います。

羽裏はインド更紗。
表の生地ととてもよく合っています。

  

枝垂れ桜と源氏車の振袖

【中野区Y様 枝垂れ桜と源氏車の振袖】

お母様がお召しになったお振袖をお嬢様用にお仕立て直しさせていただきました。
ですがお嬢様の身長は176センチ!
私のお仕立物での最高身長でした。
とはいってもぎりぎりの身丈。
着付けの際は着付け師の方にぎりぎりですと伝えてくださいとお伝えしました。
洗張をしていた状態でお持ちいただきましたので状態も良く、とてもきれいに保存されていたと思います。

お着物にも桜の文様がありましたので長襦袢も桜です。
ご注文いただいた時期が桜の時期という事が大きかったかもしれません。
長襦袢の方は私の方で白反をご用意させていただき、お好みのお色に染めさせて頂きました。

  

絞りと刺繍の訪問着

【港区K様 絞りと刺繍の訪問着】

帽子絞りに刺繍が施された豪華な訪問着をお仕立てさせていただきました。

お子様がインターナショナルスクールに通われているK様。
こちらのお着物は学校のチャリティーのイベントでお召しになるそうです。
チャリティーや寄付という感覚は欧米ではごく日常的です。
インターナショナルスクールは様々な国の方がいらっしゃるので、自分の民族衣装を着る日などもあったりと、純日本育ちの私としてはK様のお話しはいつも楽しくお伺いさせていただいております!

また、楽しいお話を聞かせてくださいね。

  

大彦 水辺風景 色留袖

【大田区K様 大彦 水辺風景 色留袖】

大彦、野口彦太郎作の色留袖です。
色留袖と言っても比翼付きではありませんので、訪問着としてのご着用となります。
柄合わせをすると、身幅が大きくなってしまうので脇の柄はおかしくない程度にずらしてお仕立てしております。

大彦のお着物は、静かな風景画から驚くほど大胆な構図まで本当に沢山の意匠があります。
何年か前に東京国立博物館の大彦コレクションを見に行きましたが、今見ても心動かされる素晴らしいお着物の数々でした。
江戸時代から平成の現代まで人々の心に響く魅力的なお着物を製作されているという事は並大抵のことではありません。
これからも途切れる事無く、続いていってほしいと願います。

   

鮫小紋 羽織

【世田谷区H様 鮫小紋 羽織】

こちらは何年か前にお仕立てさせていただきました鮫小紋の羽織です。→こちら
羽裏を交換されたいという事で、絵羽の羽裏と思いきや、この羽裏は元々訪問着の裾模様なのです。
H様は「アールヌーボの様なお花の描かれ方が気に入ってます。」とおっしゃっておりました。
お召になっているときにはほとんど見えない羽裏ですが、こうやって見ると羽裏が変わるだけでまるで印象が変わってしまうのがまた面白いところです。

 

ペンギン柄銘仙

【八王子市Y様 ペンギン柄銘仙】

お着物の柄で動物柄は今も昔も人気があり、犬、猫、鳥などは比較的目にする機会はあると思いますが、鳥は鳥でもペンギンはなかなかお目にかかれないのではないでしょうか。
諸説あるようですが、銘仙の発祥は江戸時代、『銘仙』と呼ばれるようになったのは明治時代ではないかと言われております。
大正から昭和の初めにかけて爆発的な人気を誇り、代表的な産地も秩父、足利、桐生、伊勢崎、八王子と数多くあるお着物です。
柄も多種多様で、お花、風景、動物、人物はもとより大胆な幾何学模様まで多岐に渡っており、見ているだけでも楽しめるお着物だと思います。
銘仙のコレクターもいるほど、とても面白い柄に溢れています。

今回も数ある銘仙の中でも面白い柄のお着物に入るのではないでしょうか。
どうぞ長く楽しんでいただきたいと思います。

   

結城縮 絣の羽織

【千代田区O様 結城縮 絣の羽織】

前回、トラジャ族の絞りの羽織のお仕立てに引き続き、2枚目の羽織をお仕立てさせていただきました。
元々はお着物でしたが、身丈が短かった為、最初から胴継もありました。
洗張りから上がってきた時点でかなりの接ぎがあることと、衿肩明き(首が入る切り込み)が3つも開いていることも更に判明。
お着物の時点でも沢山のやりくりをしてお仕立てされているお着物でした。

最初はお着物でのお仕立て直しをご希望されておりましたが、羽織もまだ1枚しかお持ちでないという事で急遽、羽織にお仕立て直しとなりました。
羽織にするにも少々問題がありましたが、O様のアイデアもあり通常のお仕立てとは少し違う部分もありますが無事羽織として再生することができました。
こういうやりくりも面白いところです。

 

刺繍入り結城紬

【文京区I様 刺繍入り結城紬】

こちらも飯島桃子さんの刺繍を結城紬に入れたお着物です。
結城紬の方も無地ではなく、よく見ると経絣が入っています。

しゃれ紋と八掛の上前に刺繍が入っており、ザクロと鳥の刺繍がI様のイメージととてもよく合っているお着物になりました。
少しシックな色合いもI様にお似合いになると思います。