胴抜き仕立て

久米島紬 胴抜き仕立て

【神奈川県大磯 U様 久米島紬】

今回、ご紹介するお着物はちょっと感慨深いお着物です。
というのも、本来こちらの久米島紬のお着物はU様の持ち物ではなく、W様という男性の方のお着物でした。
U様からご連絡をいただいた時に、そのW様がお亡くなりになられて奥様から譲り受けたというお話でした。

私がまだ江東区に住んでいたころ、W様、奥様共にお付き合いをさせて頂いており、色々なところへもご一緒させていただきました。
W様はジャーナリストという事もあり、とても博識で私の知らないお話しを沢山聞かせてくださいました。
お話ししてくださる言葉1つ1つに重みがあり、それが今の私には宝物の様に心の中に残っています。

「才能というのは、その仕事を続けていけるという事も才能の1つだから。」

そうおっしゃって下さったW様の言葉が今でもこの仕事をする上での心の支えになっています。

私の中ではW様ご夫妻と愛犬のワンちゃん2匹が仲良く(その当時は)別荘へ向かわれるお車を見送ったのがW様にお会いした最後だったような気がします。

今回のお着物もU様の元で長く愛されるお着物になっていただけると思うと、本当にうれしく思います。
そしてW様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

   

色無地 胴抜き仕立て

【宮城県仙台市S様 色無地 胴抜き仕立て】

宮城県仙台市からのご依頼です。
ご遠方からのご依頼は本当にうれしく思います。

今回は色無地のお着物を胴抜き仕立てのお仕立をご依頼いただきました。
反物はとても上品な淡いローズピンクで、八掛は共色に近いぼかしの八掛をお付けいたしました。
最近は胴抜き仕立てにされる方が本当に多いです。
冬でも寒いのは外にいる時だけで、室内は暖かいですから必ずしも袷にこだわる必要のなくなってきたのかもしれませんね。

 

色無地 胴抜き仕立て

【世田谷区M様 色無地 胴抜き仕立て】

色無地の胴抜き仕立てをお仕立ていたしました。
こちらはお客様の方で染められた反物をお持ちいただき、八掛と紋入れは『仕立屋 凛』でご注文頂きました。
八掛と家紋はなるべく共に近いお色でと承りました。
八掛などは見本帳で近いお色が無い場合は別染にてご用意できます。

M様もお茶を習われているので、縫いの1ツ紋をご希望。
家紋は丸に三つ柏のマツイ縫いになります。

今年は既に5月から初夏の様な陽気でしたので、胴抜き仕立ての出番は多かったのではないでしょうか。
松葉の地模様と、薄萌黄の地色が風薫る季節によく映えそうですね。
暑い時こそ、少しでも快適に過ごせるようにしたいものです。

   

久米島紬 胴抜き仕立て

【世田谷区N様 久米島紬 胴抜き仕立て】

久米島紬の胴抜き仕立てをお仕立てさせていただきました。
他にご主人の結城紬もお仕立てしたのですが、こちらも胴抜き仕立てです。
真綿紬のお着物は胴抜き仕立てでも暖かいですので、充分だと思います。
お仕立て中、ひざの上に着物が乗っている事があるのですが、それだけでも暖かさを感じます。

こちらのお着物は身丈いっぱいで、N様のいつもの寸法よりも少し小さくなってしまったのですが、問題なくお召しいただけるとの事でお仕立てさせていただきました。
細かい事をお話すると、柄の横の並びが変わったりするのですがそれも最小限にとどめることができましたので違和感はないと思います。

  

江戸小紋 胴抜き仕立て

【港区Y様 江戸小紋 胴抜き仕立て】

江戸小紋の胴抜きのお仕立です。
Y様はお茶をされていらっしゃるので、やはり”暑い日の袷”を考えて胴抜きのお仕立をご希望されました。
八掛もちょうど共色に似たお色がありましたので、違和感もありません。
お色を例えると、にぶい赤紫を指す”梅紫”という色が一番合う様な気がします。
江戸小紋は色々な場面で活躍するお着物です。
長くご着用いただきたいと思います。

  

青磁色 色無地 胴抜き仕立て

【世田谷区H様 色無地 胴抜き仕立て】

胴抜き仕立ての色無地をお仕立てさせていただきました。
背紋は縫い紋をご希望。
お着物のお色が淡いお色でしたので、共濃いの糸での縫い紋をおすすめしました。
縫い紋の色は悩むところですが、八掛と一緒で共色の系統でおすすめしております。

そして、こちらも胴抜き仕立てでのお仕立て。
胴抜きを体験された方々のお話をお聞きすると、裏地がつくかつかないかだけでもだいぶかわるとおっしゃいます。
5月、10月は胴抜きでもいいかもしれませんね。

  

色無地 胴抜き仕立て

【藤沢市Y様 色無地 胴抜き仕立て】

胴抜きの色無地をお仕立てをさせていただきました。
うっかり胴抜きの部分の写真を撮り忘れてしまいましたが、胴抜きとは言葉の通り“胴部分の無い”袷仕立ての事です。
これだけ見ると袷にしか見えませんが、見せかけの袷になります。
最近は胴抜きのご依頼が増えておりますので、重宝されている方が多いのだと思います。

 

胴抜き仕立て 小紋

【神奈川県藤沢市Y様 胴抜き仕立て】

最近、ご依頼やお問い合わせが多くなってきました胴抜き仕立て。
胴抜きとは、言葉の通り胴の部分が無く、見せかけの袷仕立てというところでしょうか。
袷の始まり(10月)や終わり(5月)の頃は気温も高く、洋服ですとまだ半袖で過ごせる日もあり、着物の袷をお召しになるのはつらいものがありますね。
ですが、その頃にどうしても袷をお召しにならなくてはいけないという方のご依頼が殆どです。
やはりお茶席でお召しになる方が圧倒的だと思われます。

胴抜き仕立ては八掛だけつける仕立てもありますが、やはりお尻回りには裏地をつけたいという方が殆どです。
画像の様にお付けしておりますが、暑さ対策が目的ですので、帯のたれ先にかかるくらいまでにしてあります。