留袖

大彦 水辺風景 色留袖

【大田区K様 大彦 水辺風景 色留袖】

大彦、野口彦太郎作の色留袖です。
色留袖と言っても比翼付きではありませんので、訪問着としてのご着用となります。
柄合わせをすると、身幅が大きくなってしまうので脇の柄はおかしくない程度にずらしてお仕立てしております。

大彦のお着物は、静かな風景画から驚くほど大胆な構図まで本当に沢山の意匠があります。
何年か前に東京国立博物館の大彦コレクションを見に行きましたが、今見ても心動かされる素晴らしいお着物の数々でした。
江戸時代から平成の現代まで人々の心に響く魅力的なお着物を製作されているという事は並大抵のことではありません。
これからも途切れる事無く、続いていってほしいと願います。

   

明治期 色留袖

【中村かをる様 明治期 色留袖】

梅に鶯の色留袖。
今ではあまり見かけない、平絹の色留袖です。
現代の留袖は殆ど縮緬地が使用されていると思います。

今回は身丈が小さいという事で接ぎを入れてのお仕立となります。
きっと身長145センチ位の方がお召しになっていたのでしょう。
明治期のお着物だと思いますが、コンディションもよくお召しになるには待ったく問題はないのですが、接ぎを入れなければお召にはなれません。
接ぎ布は全て中村さんの方でご用意していただきました。
前後10センチ程度の接ぎを入れてお召になれるサイズとなりました。

新年会にお召しになったというのでとても華やかだったのではないでしょうか。
中村さんの装い

こうやって見てみると、接ぎがデザインとなっていて熨斗目のお着物の様にも見え、これはこれで素敵です。

加賀友禅色留袖 比翼付き 

【目黒区 H様 色留袖】

叙勲式にお召しになる加賀友禅色留袖の比翼付きをお仕立させていただきました。
そのようなお仕立物をさせていただくのはうれしいですね。

さて、皇室関係のお祝い事の第一礼装は黒留袖ではありません。
黒色は喪服でのみ使用されるそうです。
本来は5つ紋が正式ですが、最近では3つ紋でも問題ないとの事。
紋入れもこちらで承れます。今回は下がり藤を日向紋でお入れしました。留袖は殆どが日向紋です。
・紋入れ1つ紋 10000円~
・紋入れ3つ紋 21000円~
・紋入れ5つ紋 30000円~

加賀友禅は金糸や箔が入ることなくどちらかと言うと控えめな色使い。
絵画の様に描かれているのが特徴です。

色留袖は親族の結婚式などでお召しになれます。
その場合は3つ紋以上。
紋を入れない場合、訪問着と同格になります。実際に色留袖に紋を入れないでお仕立する事はよくあります。
その場合、比翼は付けません。
訪問着仕立てにされる場合は親族の結婚式での着用は出来ませんが、ご友人の結婚式なら着用出来ます。(本来の訪問着と一緒です。)

  

余談ですが・・・
皇室の方々は伊勢神宮などを訪問される場合は礼服です。
女性ですとローブデコルテと言われるドレスをお召しになります。
ですから神宮などにお参りをする際は、本来ならば正装をするのが好ましいのです。