ざざんざ織 単衣着物

【江東区O様 ざざんざ織 単衣着物】

ざざんざ織の単衣着物です。
ざざんざ織はその地厚さゆえ、冬でも単衣仕立てでお召しになれるお着物です。
ざざんざ織に限らず、ご自分用でお召しになるのでしたら袷の時期でも単衣、袷にこだわる事はないと思っています。もちろん生地によりますが。
今は着物というと『お出かけ』の要素が強くなっていますので、日常着でお召しになっている方はごく僅かです。
私の祖父もいつも着物の人ではありませんでしたが、冬の着物で単衣仕立ての物がいくつかあったと思います。
普段使いでしたら単衣仕立てでも問題ありません。寝間着も浴衣の人でした。
今ではお出かけ着であるが故に、マナーや更衣替えなど細かい事に気を使ってしまうのでしょう。
身近に着物を着る人が居ないから分からないという要素が大きいかもしれませんね。

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このお着物は染め替えをなさったそうです。
元々の地色をお伺いしていなかったのですが、濃い紫のとてもいいお色に染まっていると思います。

ちなみに後身頃には共布で接ぎを入れてあります。
単衣の時期よりも袷の時期向きのお着物ですが、冬の間楽しんでいただきたいと思います。

 

紫グラデーション 単衣紬

【横浜市T様 紫グラデーション 単衣紬】

紬の単衣をお仕立てさせていただきました。
紫からグレーに変わるグラデーションが美しいお着物です。
最初にいらしていただいた時に、濃いめの紫を顔まわりにもってきた方がお顔映りが良いという事でその様にお仕立てさせていただきました。
もちろんグレーをもってくることも出来ますので、皆様ご依頼の時は色々ご相談いただけたらと思います。

後日、お茶のお稽古でお召しになっているお写真を送って下さいました。
ありがとうございます!

 

横縞 結城縮

【港区K様 横縞 結城縮】

結城縮のお仕立て直しをさせていただきました。
K様がお着物にはまり始めた頃にお買い求めになったそうで、お召しになっているうちに生地のハリがなくなってきたのだそうです。
そこで、結城紬の洗張で”糊入れ”をしてもらったという事でした。
洗張というと洗って乾燥させるだけの様な気がしますが、実はどこまで糊を落とすか、入れるかは職人さんの経験で行っていると聞いたことがあります。
仕立て上がりをK様にお渡しし、その後いただいたメールではこの様に書かれておりました。

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送って頂いた単、大感激です。特にしましま紬。着物にはまった初期に既にかなり昔のという古着で買って仕立て直しをして、随分着たらへなゃへなゃになってしまっていたので、もう寿命だと思っていたんです。 洗い張りで糊を入れてもらい、ゆう子さんにマイサイズに直して頂き、また誇らしげな感じで戻って来てくれて本当に嬉しいです。
またせっせと着ていよいよになったら袷にして、愛用しようと思います。 ありがとうございました。
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私の力というよりも、洗張をして下さった力が大きいと思いますが、『くたくたになるまで着る』なんてなかなかできない事です。
K様の着物愛をとても感じました。
また、袷にお仕立直しする日を楽しみに待っています。

結城縮 単衣仕立て

【世田谷区H様 結城縮 単衣仕立て】

結城縮の単衣をお仕立てさせていただきました。
格子柄に織られた柔らかな結城縮は色合いと言いとても柔らかな印象で、私の中でH様の印象と重なりました。

結城縮、結城紬は普段使いでしたら単衣仕立てで冬場にもお召しいただけます。
真綿の生地は単衣のお仕立でも冬の寒さをしのいでくれるほど暖かいのです。
単衣仕立てまではいかなくても、最近は胴抜き仕立てのご依頼がとても多く、それだけ真綿の暖かさがどれほどなのか分かります。
男性の方は特に体温が高いので、袷はすべて胴抜きに直したいとおっしゃる方もいらっしゃいます。

先日、こちらのお着物を初おろししましたとご連絡をいただきました。
ご友人にもお褒めの言葉をいただいたそうで、私もうれしく思います。

  

紅型 単衣

【目黒区K様 紅型 単衣】

紬の紅型を単衣仕立てにお仕立させていただきました。
紅型は海や水の文様が多く、こちらのお着物も流水が描かれています。
帆船の帆や、桐の花などの花々もどことなく涼しさを感じさせてくれます。
今年くらい涼しい残暑は9月から紬の単衣の出番も多いのではないでしょうか。
合わせる帯によって、春秋に大活躍のお着物になりそうです。

 

生紬 単衣仕立て

【世田谷区N様 生紬】

証紙(織出し)を見ると座繰とあります。
座繰とは歯車のついた(中にはついていないものもあります)糸巻で糸を紡ぐ機械です。
ネット検索すると画像が出てきますので、興味のある方は検索してみてください。
この生地がとてもハリがあり、縫うのにも根気が必要でした(笑)
生紬とは精練をあまりしない紬糸を使って織った生地という事になりますが、それがこの生地の味わいとして出ているのでしょう。
素朴ですが、紬本来の感触がある様に思います。
『一昔前の結城紬もこの様な感触だったのかも。』そんなことを思いながら縫っておりました。

N様には合わせる帯のご相談も受けましたが。
許容範囲の広いお着物ですが、『普通に合わせるよりも個性的な帯を合わせた方がN様にお似合いになると思います。』
とアドバイスさせていただきました。長く楽しんでいただきたいです。

  

絽織 紬単衣

【目黒区K様 絽織 紬単衣】

絽というと夏物を想像してしまいますが、こちらは絽織の紬です。
絽織の紬は珍しいですね。
私も拝見するのは初めてでした。
夏物として着用は厳しいので、やはり単衣仕立てが妥当ではないかと思います。
クチナシの様な黄色に三つ巴の縫い紋が1ツ入っております。
この黄色いお色も蛍光色の様な黄ではなく、落ち着いたお色で、縫い紋の銀糸とのバランスも良いですね。
季節の柄が描かれた八寸帯がよく似合いそうです。

  

大島紬 単衣仕立て

【目黒区S様 大島紬 単衣仕立て】

爽やかな白地の大島紬。
縦縞の青が更に爽快さを増しているように思います。

大島紬も昔ながらの黒や茶系の文様だけではなく、若い方がお召しになりやすいパステルカラーの生地が多くなってきています。
こういうところから入っていくと馴染みやすいかもしれないですね。
一見、大島紬とは思えないような生地も沢山あります。

今回のお着物は、袷にするか単衣にするかで迷っておられました。
着物はお召しになっている方のみならず、周りの方にも季節感を味わってもらうお召し物です。
大島紬は単衣にしても軽く、色合いもとても爽やかですので、単衣の時期にピッタリだと思います。

5月の少し汗ばむような季節にもお召しになっていただきたいです。

  

青楓 紬単衣

【世田谷区H様 青楓 紬単衣】

青楓の紬です。
真綿の紬ではなく、大島紬の様な風合いの生地でしたので単衣のお仕立をおすすめいたしました。
こちらのお着物は、5月でちょうど良さそうです。
6月は夏日になることも多く、夏物を着たいくらいですね。
青楓は見た目の爽やかさもあり、目でも楽しませてくれそうです。

  

紅花紬 単衣

【港区S様 紅花紬 単衣】

紅花はエジプト原産と言われ、シルクロードを経て日本に渡来したといわれています。
紅花は梅雨の頃に花を咲かせ、棘のある葉と蒸し暑さの中で行われる収穫はとても大変な作業だろうと想像できます。
紅花の”紅”は収穫する娘たちの手から流れる血の色とまで言われるほどなのです。
確か、紅花の産地の山形県では収穫体験があったよう記憶しておりますが、今もされているのでしょうか・・・

さて、今回ご依頼いただいた紅花染めの紬。
黄色から水色に変わるグラデーションになっています。
徐々に変わっていく色合いがとても爽やかな印象を受けます。
S様のご希望により、お顔周りに水色がきた方がお顔映りが良いという事で、色の出方もお伺いしました。
今回の様に、「この色を掛衿に。」などのご要望はお気軽にお伝え下さい。
本来単衣の季節は6月ですが、紬の単衣は5月にお召しになっても問題ないと思います。
5月の爽やかな風が通り抜けそうです。