寄波文様 男物浴衣

【世田谷区N様 寄波文様 男物浴衣】

江戸小紋と同じ型紙で染められた『寄波文様』
この型の様に細かい文様の型紙で型をつけるのはとても難しいのです。

染め屋さんで染め体験をさせてもらう場合は、この様な繊細な型は絶対に扱わせてもらえません。
型も傷みますし、その前に素人だと上手く扱えないからです。
もっと型の線が太い、割と扱いが簡単な物での体験になります。

プロがやってしまえば簡単そうに見えるので、「簡単なのかな?」と思ってしまいがちですが、やはりその道のプロは凄いのです。

 

枝垂れ桜と源氏車の振袖

【中野区Y様 枝垂れ桜と源氏車の振袖】

お母様がお召しになったお振袖をお嬢様用にお仕立て直しさせていただきました。
ですがお嬢様の身長は176センチ!
私のお仕立物での最高身長でした。
とはいってもぎりぎりの身丈。
着付けの際は着付け師の方にぎりぎりですと伝えてくださいとお伝えしました。
洗張をしていた状態でお持ちいただきましたので状態も良く、とてもきれいに保存されていたと思います。

お着物にも桜の文様がありましたので長襦袢も桜です。
ご注文いただいた時期が桜の時期という事が大きかったかもしれません。
長襦袢の方は私の方で白反をご用意させていただき、お好みのお色に染めさせて頂きました。

  

夏結城 暈し附下

【世田谷区K様 夏結城 暈し附下】

暈しの附下、夏結城のお仕立て物です。
夏結城とは、細い真綿の紬糸と麻糸で織られている生地になります。
紬糸もかなり細い糸を使用しているので織り上げるのはとても難しいという事なのだそう。
その大変さから生産量も少ないという話をお伺いしたことがあります。

それはさておき、淡いお色の暈しが目にも涼しくとても素敵なお着物ですので、短い夏を楽しんでいただきたいと思います。

  

小千谷縮 摺り友禅染

【品川区T様 小千谷縮 摺り友禅染】

摺り友禅染の小千谷縮です。
夏のおしゃれ着の定番である小千谷縮は毎年何枚もお仕立てしています。

夏物はお仕立て前に、ほぼ私が水通しをしています。
水を通す事によってシボが浮き立ってくるのが分かります。
このシボがあることによって涼やかにお召しになれるのですが、反物の状態だとあまりシボが目立ちません。
アイロンがけをしてしまうと縮の特徴であるシボが無くなってしまうので、アイロンもかけません。

お仕立て後のお洗濯後も、着物ハンガーにきれいにかけて干して頂ければアイロンがけは不要です。
お手入れが楽なのはうれしいですよね。(特に夏は!!)

 

琉球柄の紬 単衣仕立て

【相模原市U様 琉球柄の紬 単衣仕立て】

琉球柄の紬のお仕立物です。
こういった柄にしては珍しくベージュ色のお着物。
ブルーのラインがとても美しく印象的なお着物だと思います。
頂き物だという事なので、U様の身丈には少し足りませんでしたが腰紐の位置を調節していただければ問題無くお召しいただけると思います。

単衣仕立てというのは単に仕立て方というだけで、冬にお召しになれない訳でなく、素材で考えて頂くのが一番です。
例えば、ウール、ざざんざ織、伊兵衛織など地厚の物は冬でも単衣仕立てでお召しになっても全く問題ありません。
結城紬も個人的にお召しになる場合は単衣仕立てでお召しいただけます。
1年中お着物で生活されていらっしゃるお客様は、冬でも単衣仕立てのお着物をお召になっております。

あまり、難しく考えないで楽しんでいただきたいと思います。

 

本場結城紬 草木染の無地 単衣仕立て

【杉並区M様 本場結城紬 草木染の無地 単衣仕立て】

本場結城紬の無地を単衣にお仕立ていたしました。
こちらは桜の草木染だという証紙もついておりました。

和裁の訓練校時代、染色の時間があり、自然にある物で染色をしました。
ブドウの皮、玉ねぎ、紅茶などを媒染を変えて染めたのを覚えています。
媒染で色の出方が変わるのはもちろん、染める時間、温度、水の成分など様々な条件で変わってくるものですので、いつも同じ色に染めるという事は、草木染に求めてはいけないのかもしれません。
染色をお仕事にされている方のご苦労はさぞや大変だろうとお察しいたします。

どんな色でも草木染は美しいなと思います。
自然な色に心惹かれるのは、人間として自然な事なのかもしれません。

  

楊柳 雀柄の単衣

【海老名市S様 楊柳 雀柄の単衣】

楊柳地、単衣のお着物です。
現在の単衣の生地は袷と単衣兼用の生地ですが、昔はちゃんと単衣用の生地がありました。
お客様からよく、「単衣にするにはどんな生地が向いていますか?」と聞かれることがありますが、季節ごとに生地が分かれていれば悩むことも無いのにと常々思います。
楊柳の生地は今でもありますが、生地感はやはり違う様に思います。

こちらのお着物は見た目の涼しさもあり、単衣の季節にはもってこいのお着物だと思います。
身丈がかなり短かった為に後身頃に接ぎを入れてのお仕立てです。
短い単衣の季節を楽しんでいただきたいと思います。

 

紙布の単衣

【新宿区I様 紙布の単衣】

こちらのお着物は紙布のお着物です。
埼玉在住の作家さんの作品だそう。
素材としては100%紙ではなく絹も入っているそうです。
交織なのか混紡なのかをお伺いしなかったのですが、世の中には色々な布があるものです。

私の中での紙布のイメージは、大福帳などの紙を紙縒りにして生地にするという物ですが、大福帳に元々書かれていた文字が不規則な文様の様になってなんとも味わいのあるものです。
きっと『捨ててしまうのはもったいない』という精神から生まれた物なのでしょうが、生活の中から生まれた物には力がありますね。

話はそれましたが、今回のお着物は洗う事もできるそうで、お仕立ての前にも私が水通しをさせて頂きました。
自分で洗えるという事はお手入れの面でもありがたいですね。

 

ラオス木綿の単衣

【港区K様 ラオス木綿の単衣】

ラオスの木綿で単衣のお着物をお仕立ていたしました。
ざっくりとした、やや厚手の木綿。といった感触です。
『異国の布』と強調しすぎないので、コーディネートも難しすぎず、お召しになる楽しさが倍増しそうですね。

 

絞りと刺繍の訪問着

【港区K様 絞りと刺繍の訪問着】

帽子絞りに刺繍が施された豪華な訪問着をお仕立てさせていただきました。

お子様がインターナショナルスクールに通われているK様。
こちらのお着物は学校のチャリティーのイベントでお召しになるそうです。
チャリティーや寄付という感覚は欧米ではごく日常的です。
インターナショナルスクールは様々な国の方がいらっしゃるので、自分の民族衣装を着る日などもあったりと、純日本育ちの私としてはK様のお話しはいつも楽しくお伺いさせていただいております!

また、楽しいお話を聞かせてくださいね。