2022-09-28
繰越と裄の関係@着付け師採寸
着付け師採寸にいらして頂きましたT様です。
左の朱赤の江戸小紋の方が裄が5分(1.9センチ)長いのですが、右の着物の方が少し長く見えます。
右の着物は紬なので、生地が垂れないのにも関わらずです。
これは繰越の寸法の違いによるものです。
紬の方が繰越寸法が少ないので、好みの衣紋の抜き加減にするには肩山を後ろに回さなくてはいけません。
そうすると自然と袖口のラインが落ちて裄が長く見えるのです。
衣紋が抜けないからと言って繰越を大きくすると、今度は裄が短く見えてしまいます。
逆に裄を長く見せたいからと言って少ない繰越寸法のお着物で衣紋を沢山抜いてしまうと前のおはしょりが少なくなってしまうので、着付けに苦労することになります。
そこは調整しながら寸法を出しています。
自分はどのくらい衣紋を抜きたいのかなど、自分の好みを知る事もとても重要です。
裄寸法は長さによって全体のバランスを変えるほど見え方が変わってしまいます。
着付け師採寸ではそれもお伝えしております。
タグ: 着付け師採寸