ある日のお客様（黒留袖のお直し）

【S様の黒留袖】

11月のお式に参列されるという事で黒留袖のお直しをお持ちいただきました。
今回のお直し内容は、胴裏交換と比翼の付け直しです。
胴裏は長くしまっておくと思わぬシミが出てきてしまう事があり、染み抜きよりも交換が必要になります。
他に時間の経過により表地が縮んでしまった為、比翼が裾から出てきてしまっているので付け直しとなりました。

黒留袖や喪服のお直しを検討される方、割といらっしゃいますが寸法を大きくする場合は注意が必要です。
黒地の無地場が多いお着物はスジやヤケが必ず出ると思ってください。
黒地の場合お直しがとても難しく、100％きれいに直る事はほぼありません。
しかも加工代もお安くはありません。
サイズが小さかったとしても何とかお召しになれるのでしたら今のままでのご着用をお薦めしています。

今回のお着物も本来は身幅直しが必要でしたが、このままお召しいただく事をお薦めいたしました。
表地の汚れなどはありませんでしたので、裏地を交換すればさっぱりしますし、新たなお気持ちでお式にご参列していただけると思います。

余談ですが
S様のご自宅は私の実家と1駅違いのご近所で、地元の話に花が咲きました。
区画整理で街並みがだいぶ変わってしまったお話や、地元のラーメン屋さんのお話など地元民にしか分からないお話で盛り上がりました！
S様のお話も面白くてとても楽しいお時間でした。