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2020-02-06

金銀糸織の羽織

【杉並区K様 金銀糸織の羽織】

小さかった羽織を大きくお仕立て直しいたしました。
今の羽織よりも5寸(約20センチ)ほど身丈が小さかった羽織を洗張りをしてお仕立て直しをしました。

小さい羽織を大きくしたい場合、基本的には羽裏の長さがあれば大きく出来ます。
但し、裾返しは短くなります。
気を付けなくてはいけないところが、羽織には前下がりと言って前の裾を斜めに縫っているのです。
その斜めのスジが洗張りをしても全く取れない場合があります。
そこのスジが取れないと前身頃に斜めのスジが残ったままとなってしまいます。
洗張り前にもその部分を解いて状態を確認してから洗張りに出しているのですが、消えない場合はスジ消し、染色補正という加工が必要になります。
他にも、裄の寸法が取れるかなどの諸々の確認事項はあります。

金糸と銀糸で文様が織られておりますが、糸とはいってもこれは和紙です。
和紙に金箔、銀箔を漆などで張り付け糸状に切った物を織り込んでいます。
漆糸も同じく和紙です。

金糸、銀糸、漆糸を織り込んだ生地は私もとても好きな織物です。