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2020-12-04

ある日のお客様@着付け師採寸コース

着付け師採寸コースにいらして頂きました女性能楽師のH様です。
小柄な体つきにリュックを背負い、ご自宅からは自転車でいらしてくれました。
皆さまお着物をお持ちになるのに着物バッグでいらっしゃる方が多いのですが
小さくクルッと巻いた風呂敷の中にはお着物と袴をコンパクトに収納してあり、リュックからサッと取り出します。
そんな光景も仕事でお召しになっている方ならではです。

さて、今回はお着物を着ておとなしくしている訳ではなく動きがありますのでそれを考慮しての採寸です。

ササっと着替えていかれるので着付け師の松田も一言。
「私、やることない。」(笑)

補正などのご相談も受けましたが、色々試しておられるので
「これはいいけれど、これはいまいち。」
などご自身の中でしっかりと基準がありました。
私がお薦めしたのは麻で出来ている補正具。
薄くていいかなと思い以前購入した物ですが、さっそく付けて着付けをしたところ「涼しい!」と気に入っていただいたご様子。
使った事が無かったのでH様に差し上げたところとても喜んで頂き、「舞台でも使用します!」とおっしゃっていただきました。
麻で出来ているからといって夏だけに限定される訳ではなく、冬に使っても問題ありません。

仕事着としてお召しになるので、普通にお召しになる方とは違った視点で採寸させていただきました。
もちろん男物仕立てになります。

長くお着物をお召しになっておられるので
ご自身の好みやこういう動作があるのでこの様にしてください
などのしっかりしたご指定があるのでとてもありがたいです。
傾向としてはお仕事でお召しになっている方ほど寸法に無頓着な方が多いのも事実です(笑)
というか、寸法が合っていなくても気にすることが出来ない位お忙しいのだと思います。
能楽師の日常ってどんなのだろうと勝手に想像してしまいました。

能楽師あるある的なお話もお伺い出来てとても楽しいお時間でした。