2月2017

結城縮 絣の羽織

【千代田区O様 結城縮 絣の羽織】

前回、トラジャ族の絞りの羽織のお仕立てに引き続き、2枚目の羽織をお仕立てさせていただきました。
元々はお着物でしたが、身丈が短かった為、最初から胴継もありました。
洗張りから上がってきた時点でかなりの接ぎがあることと、衿肩明き(首が入る切り込み)が3つも開いていることも更に判明。
お着物の時点でも沢山のやりくりをしてお仕立てされているお着物でした。

最初はお着物でのお仕立て直しをご希望されておりましたが、羽織もまだ1枚しかお持ちでないという事で急遽、羽織にお仕立て直しとなりました。
羽織にするにも少々問題がありましたが、O様のアイデアもあり通常のお仕立てとは少し違う部分もありますが無事羽織として再生することができました。
こういうやりくりも面白いところです。

 

刺繍入り結城紬

【文京区I様 刺繍入り結城紬】

こちらも飯島桃子さんの刺繍を結城紬に入れたお着物です。
結城紬の方も無地ではなく、よく見ると経絣が入っています。

しゃれ紋と八掛の上前に刺繍が入っており、ザクロと鳥の刺繍がI様のイメージととてもよく合っているお着物になりました。
少しシックな色合いもI様にお似合いになると思います。

   

無地に刺繍入りのお着物

【江東区H様 刺繍入りのお着物】

無地のお着物に刺繍を入れたお着物をお仕立しました。
刺繍は飯島桃子さん。

衽には蔦の様な少し抽象的な植物、しゃれ紋には小鳥、八掛には羽根が刺繍されています。
お着物の生地にも銀糸が縫い込まれており、無地でお仕立てするよりもぐっと華やかになりました。
無地のお着物はポイントに刺繍を入れるだけでも印象が変わります。
これも着物の面白いところかもしれません。

  

ご婚礼用 飛鶴紋様 引き振袖

【世田谷区K様 ご婚礼用 飛鶴文様 引き振袖】

昨年いらして頂きましたK様。
3月にご結婚されるという事で、元々は振袖用だったお着物を引き振袖にお直しされたいというご依頼をいただきました。
K様自身はこちらのお着物を成人式にはお召になっていないそうですが
「文様からして、婚礼用ですよね?」
とおっしゃる通り、婚礼用にふさわしいお着物だと思います。
上前の柄もかなり高い位置までありますし・・・

少しだけお仕立て直しのご説明。
振袖から引き振袖に直す場合は、洗張りをしてお仕立て直しとなります。
(ほかのお店ではお直しでされるところもありますが、『仕立屋 凛』ではお仕立て直しで承っております。)
振袖と引き振袖の違いは簡単にいうと比翼が付く事と、衿の長さが違う、そして身丈が違います。
ネットの画像を見てみると、衿の長さが長く帯の下から衿先が長く出てしまっている物もありますが、おはしょりをつけてお召になるお着物をお引きずりとしているようです。
お引きずりとは言うものの、実際に移動する際は裾を持ち上げて歩きます。
抱え帯やしごきは元々裾をたくし上げて移動する際に使われていたものですが、今は装飾品としての意味合いが強いです。

今回は大まかにいうと下記工程をさせて頂きました。
・洗張
・比翼を染める(ご希望のお色に染められます)
・お仕立て直し

裏地の長さが足りない、などいろいろな問題がある場合はその都度対応させていただきます。
表地の長さが足りない場合は残念ながら承れません。
今回は裏地の長さも足りましたので、接ぎを入れることもなくお仕立て出来ました。

K様の末永いお幸せをお祈り申し上げます。