1月2015

浦野理一作 紬

【港区K様 浦野理一作 紬】

浦野理一さんの紬は本当に人気があります。
お客様のお話によると最初は張りのある生地ですが、着る回数が増える事にしっとりと滑らかな肌触りになっていくそうです。
お客様曰く「トロントロンになる。」のだそうです。
そういうお話を聞くと色んな所へ、どんどんお出かけしたくなりますね。
裾が擦り切れたり、汚れたりなどは何とでもお直しができるもの。
タンスの肥やしにせず、お出かけしてくださいね。

  

椿附下と水玉長襦袢

【港区K様 椿附下、水玉長襦袢】

こちらのお着物は昨年作成し、既にお渡し済のお着物です。
袖丈1尺6寸(約60.8cm)で柄が切れないお袖丈になりました。
こちらは附下小紋になります。
ぽったりとした縮緬地が愛らしさを更に増してくれているようです。
吉祥文様ではないので、おめでたい席にという柄ではなくおしゃれ着としてお召しになる附下です。

このお袖丈に合う襦袢を今年作成させていただき、先日お渡しさせていただきました。
水玉文様の可愛い長襦袢です。
こちらのお着物の袖丈に合う襦袢がないとお出かけできませんので、急いでお仕立ていたしました。

お着物、長襦袢どちらもとても可愛いですね。

  

琉球紬

【世田谷区K様 琉球紬】

琉球紬のお仕立物です。
お花屋さんを経営されているというK様はとても元気で明るいお方です!
そんな方が沖縄の反物をお召しになるのは、私の中でピタッとはまりました。
大島の様なサラリとした感触が気持ちの良い琉球紬。
お召しになった画像も送ってくださり、とても着心地が良いとおっしゃって下さいました。
何よりもうれしいお言葉です。
また、ご依頼いただければ嬉しく思います。

 

無地 本場結城紬 

【杉並区O様 本場結城紬】

黄朽葉(きちくば)色、無地の本場結城紬です。
雨コートのお仕立とご一緒にご依頼をいただきました。いつもありがとうございます。
無地の結城紬は活躍する場も多く、何よりもとても暖かいのがうれしいお着物です。
暖房設備の効いた現代社会では暑いくらいです。
ですが、風合いと暖かさと素朴さを兼ね備えたこの布のパワーは物凄いもの。
まだまだ人気は衰えません。

 

縮緬地 壁掛け

【港区K様 縮緬地 壁掛け】

実は最初にご依頼をいただいた時はお断りさせていただきました。
というのも、こういうシンプルな作りの物は出来不出来が分かりやすいのと、もっと適した職業の方がいらっしゃるのではないかという思いがありました。
ですが、新しいものに取り組みたいという思いもあり何度かメールでやり取りをしていくうちにお受けしようと思い始めました。

表地のみで暖簾の様な作りにするのではなく、裏地を付け、縁には綿を入れて横から見れば少し厚みがある様に見えるものをご希望されました。
裏地を付けるという事は2枚の釣り合いも考えなくてはいけませんし、ただ同じサイズの物を2枚くっつければいいという単純なものではないのです。

先日ご自宅の壁にかけた時のお写真を送って下さいました。
ご依頼をお受けした良かった!
と素直に思いました。

そのメールにはこの様な言葉がありました。

『箪笥の中で眠っている着物が、着られる機会を得ることは勿論のこと、皆が長年の着物の文化を愛おしく思ったり見直したりして、色々と活用したいと思うことで、着物文化や技術を今後も継いでゆけるようにと思ってのことです。』

現代美術に関係するお仕事をなさっているK様だからこそ、古いものを今の生活に取り入れる試みているのではないかと思います。

結城紬 男物 アンサンブル

【目黒区K様 結城紬 男物 アンサンブル】

男物結城紬のアンサンブルをお仕立てさせていただきました。
K様のご希望は着物を単衣仕立て、羽織を袷仕立てにという事でした。
真綿紬は暖かいのでお着物だけ単衣にして、羽織は袷にしても問題ないと思います。
羽裏は織の生地なので、とても豪華になりました。
今は染の羽裏が殆どですが、織の羽裏はなかなか見かけません。

この題材は伊勢物語の東下りだと思われます。
『むかし、おとこありけり。そのおとこ、身をえうなき物に思ひなして、京にはあらじ、あづまの方に住むべき国求めにとて行きけり。富士の山みれば、五月のつごもりに、雪いと白う降れり』