付下

宗廣佳子作 紬

【新宿区G様 宗廣佳子作 紬】


郡上紬を復刻させた故・宗廣力三氏を父にもつ宗廣佳子氏の作品です。
佳子氏は郡上紬ではなく、長野県で信州紬を制作されております。
附下調に織られた紬はお召しになる方を引き立ててくれそうな気品を感じます。
G様がどんなコーディネートでお召しになるのか想像するのも楽しみです。

  

芹澤銈介 附下小紋 2枚

芹澤銈介氏の附下小紋を2枚お仕立てさせていただきました。
草花文様のお着物は4月、小川紙漉村文様は9月末にお渡しいたしました。
N様の寸法には少し足りませんでしたが、「着付けで何とでもできますから。」とおっしゃっていただきました。

先日、N様とお話しさせていただいた時には「着物の落ち感がとてもいいです。」とのお言葉をいただきました。
生地によるところも大きいとは思いますが、大変うれしいお言葉です。
因みに生地は昔の濱ちりめんで、とても硬い生地。
柔らか物とは名ばかりです。

【芹澤銈介 草花文様 附下小紋】

  

【芹澤銈介 小川紙漉村文様 附下小紋】

  

浦野理一 (型染小紋 附下 経節紬)

【世田谷区I様 菱形に向鶴文様 小紋】

I様とは、かれこれ2年ほど前にアフリカからメールをいただいてお仕立物をさせていただくようになりました。
昨年、一時帰国の際にお会いして今年1年は日本を満喫していらっしゃいました。
そして今月(12月)はじめにまたアフリカへとお仕事に向かわれました。
そのお仕立物の一部ではありますが、浦野理一作のお着物を3着ご紹介させていただきます。

まずは型染めの小紋。
菱形に向鶴文様と(鳳凰もしくは雨龍)が描かれた小紋。
ご紹介する3枚の内、これだけ袖丈を大きくお仕立いたしましたので、後身頃に共布で接ぎを入れてのお仕立となりました。
接ぎを入れる場合は共布で入れる方がお勧めです。
接ぎ布の柄合わせもなるべく合わせる様に心がけております。

  

【松葉文様 附下】

こちらは附下。
小紋と同じく、浦野理一独特の縮緬生地です。
柔らか物ではありますが、どちらかというとお召に近い感覚です。
決して縫いやすいとは言えない生地なのです。
金砂子が黒地に映えて、華やかなお席にピッタリのお着物ではないでしょうか。

  

【経節紬】

こちらは見ただけで『浦野さん作ですよね。』と言ってしまう縦節紬。
こちらも洗張をして身丈いっぱいでお仕立させていただきました。
172センチあるI様ですが、身丈に関してはあまり長くとらなくてもお召しいただいているので、和裁士としてはありがたい限りです。

 

附下

【マレーシアN様 附下】

マレーシアにお住まいのN様。
年に何度かは海外にお住まいの方からのご依頼があります。
今回の様に海外発送の方もいらっしゃれば、帰国した際に受け取り希望の方もいらっしゃいます。
お問い合わせがあった国としてはアメリカ、アフリカ、マレーシアなど本当にネットは世界につながっているのだと実感します。

N様とはLINEでやり取りをしましたが、採寸が出来ないためにご自身でサイズを測って頂いたのはもちろんですが、着用時のお写真も送っていただきました。
画像がある事で身幅などを決める時にはとても参考になりました。
こうやって簡単にやり取りが出来る様になっていることもすごい事です。

洗張りからお仕立てまでをさせていただき、仕立て上がったらお送りするというところまでは日本のお客様とは同じです。
後は発送のみ。

無事に届くようにと送りましたが、ちょっとしたトラブルも・・・
この商品は商用ではないかという事で、マレーシアの税関で止められてしまうという事態が発生。
N様にはお手数ながら税関まで足を運んでいただく事になってしまいましたが、無事にお手元に届いたというお知らせをいただきました。
秋にはロンドンのご実家に行かれるそうで、このお着物でオペラ鑑賞などされるそうです。

 

遠山文様 附下 

【世田谷区T様 遠山文様 附下】

遠山文様として描かれておりますが、よく見ると山には桜が咲き、梅が散るという細かい描写になっています。
画風も柔らかく、T様の柔らかい雰囲気によくお似合いになるのではないかと思います。
洗張後、八掛も共色に近いお色に交換しましたので、また新たなお気持ちでお召しいただけるのではないでしょうか。
着物は洗えて、部分的な交換も出来、仕立て直す事も出来る、本当に優れた衣服だとつくづく実感します。

  

雪輪に芝文様附下

【さいたま市N様 雪輪に芝文様附下】

こちらの附下も前回と同じく、さいたま市のN様のお着物です。
羽織のご依頼の後に気に入って購入されたそうで、後日送っていただきました。
淡い卵色の様なお色でしたので、胴裏との境目が目立たない様にぼかしの八掛、若干からし色に近いお色を選ばせていただきました。
こちらの附下は礼装用というよりも、おしゃれ着に近い物ですので、式典やあらたまった席でお召しになるというよりも気軽にお召しいただけるものです。
お食事や観劇などに、どんどんお出かけいただきたいと思います。

   

藤と鉄線の附下訪問着

【海老名市S様 藤と鉄線の附下訪問着】

アンティーク着物がお好きなS様。
元々は単衣のお着物でしたが、藤は4月、鉄線は5月頃のお花なので袷にお仕立て直しをいたしました。
お袖丈も柄が切れない所でみると1尺8寸5分(約70センチ)になってしまうのですが、身長とのバランスを考え、1尺5寸8分(約60センチ)でのお仕立となりました。
アンティークのお着物は袖の柄の配置が長めの丈に設定されていることが多く、悩む所でもあります。
全体像を見ると、改めて地色のぼかしも美しさにも気付きます。
それでも、お着物は着る人がいて初めてその美しさが現れてくるものだと思っています。

  

椿附下と水玉長襦袢

【港区K様 椿附下、水玉長襦袢】

こちらのお着物は昨年作成し、既にお渡し済のお着物です。
袖丈1尺6寸(約60.8cm)で柄が切れないお袖丈になりました。
こちらは附下小紋になります。
ぽったりとした縮緬地が愛らしさを更に増してくれているようです。
吉祥文様ではないので、おめでたい席にという柄ではなくおしゃれ着としてお召しになる附下です。

このお袖丈に合う襦袢を今年作成させていただき、先日お渡しさせていただきました。
水玉文様の可愛い長襦袢です。
こちらのお着物の袖丈に合う襦袢がないとお出かけできませんので、急いでお仕立ていたしました。

お着物、長襦袢どちらもとても可愛いですね。

  

花々文様にぼかし附下 

【町田市A様 花々文様にぼかし附下】

お花の文様が全体に散らされた、ぼかしの附下です。
柄合わせでいうと、お花の柄を合わせるのではなく、裾まわりのぼかしの附下になります。
全体が淡いピンク色でしたので、八掛はお花の中でも濃いめの紅色を選ばせていただきましたが、お着物とのお色とちょうど良いバランスになったと思います。
お花の文様を見ると、春と秋の両方にお召しになれるお着物です。
長い期間楽しめるお着物ですので、沢山お出かけになっていただきたいです。

   

葡萄刺繍附下

【杉並区M様 葡萄刺繍附下】

柔らかな桃色の地色に葡萄の実を刺繍で描いた附下です。
全体を見ると桃色がグラデーションで描かれており、1色のお色よりも深みが出ている様に感じます。
ご自身でお召しになっていたお着物をお嬢様に譲られるそうでお仕立て直しをご依頼いただきました。
八掛も葡萄のお色に近い薄黄色を選びました。

葡萄は古来より、生命と豊穣を表す文様とされ日本人に愛されている文様です。
こうやってお嬢様に引き継がれていくことで、お着物も喜んでいるのではないでしょうか。