小紋3枚

【港区S様 小紋3枚】

小紋3枚をご依頼いただきました。
お母様がお召しになっていたお着物のお仕立て直しですので、サイズが少し足りなかったところもあるのですが、そこはS様の着付けの腕前でカバーされると思います。

お届けした際には「久々に見たらやっぱり派手ですね。」とおっしゃっておりましたが、S様にはお似合いのお着物だと思っております。

私の七歳の七五三もこのような生地の小紋柄で仕立ててもらいました。
光沢のある生地なので、それだけでも華やかに感じますね。

【几帳柄小紋】

  

【蝶々柄小紋】

  

【花車柄小紋】

  

京紅型振袖

【川崎市T様 京紅型振袖】

京紅型の振袖をお仕立てさせていただきました。
元々は京都出身のお母様が成人式にお召しになったお着物で、お嬢様の為にお仕立て直しをしたいというご希望です。
ですが、お嬢様の身長は175センチ!
最初は接ぎを入れないとお仕立てできないかとも思い、お嬢様にも何度かご足労いただき採寸をさせて頂きましたが、最終的には身丈いっぱいでぎりぎりお召しになれそうでしたので、ホッといたしました。

こうやって、お母様がお召しになったお着物をお嬢様がお召しいただけるという事は本当に素晴らしいことだと思います。

蝶々と藤の小紋

【中村かをる様 蝶々と藤の小紋】

HP休止中にお仕立てしたものですが、中村さんのブログで(だいぶ前ですが)ご紹介いただいております。→中村かをる創作帯屋
アンティーク好きの中村さんらしい1枚です。
アンティークの魅力はやはり、今の物にはない文様と柄の大胆さなのではないかと思います。

昔のお着物はお仕立てするには、難しかったりすることもあるのですが、出来上がってしまうとそれを上回る充実感があります。
存在感は抜群ですね。

  

雪輪文様小紋

世田谷区N様 雪輪小紋

雪輪文様がお好きだというN様。
N様に限らずこの文様がお好きな方は多いのではないでしょうか。

N様は身長がお高いので(168センチ)、上前衽の柄をやや高めに配置しております。
飛び柄の小紋の場合、柄に配置には気を使います。特に上前の柄出しは、その方の身長により変えていかないとおかしなバランスになるので大きなポイントになる所です。

  

几帳文様訪問着

大田区K様 几帳文様訪問着

風になびく几帳に松や季節の草花が描かれ、金彩加工が更に華やかさを増してくれています。
慶事のお席にも一層華やかな色どりを添えてくれるお着物になると思います。

余談ですが・・・
訪問着の柄合わせは難しいところもありますが、ピタッと柄があったときの(小さな)感動はなんとも言えません。
こちらのお着物も楽しくお仕立てさせていただきました。

  

樋熊哲也作 十日町紬

【江東区Y様 樋熊哲也作 十日町紬】

樋熊哲也氏の十日町紬です。
樋熊氏のwebサイトを拝見すると辻が花の華やかな振袖や訪問着が目に飛び込んできます。
紬を作成する事は本当に少ないのではないでしょうか。
市川海老蔵さんと結婚された小林麻央さんの結婚記者会見の際にお召になっていた辻が花のお着物は、樋熊氏の作品だそうです。

Y様は樋熊氏の工房で購入されたそうですが、手に取った紬の黒に惹かれお求めになったとおっしゃっておりました。
工房にあるお着物も訪問着などの華やかな物が殆どではないかと・・・
紬は逆に新鮮に見えたのかもしれません。
八掛は別染でぼかしに染めた物をお付けいたしました。

先日、いらして頂いた時にはこのお着物でいらしてくださいました。
お召になっているお姿を拝見させていただけるのはとても嬉しいものです。

  

明治期 色留袖

【中村かをる様 明治期 色留袖】

梅に鶯の色留袖。
今ではあまり見かけない、平絹の色留袖です。
現代の留袖は殆ど縮緬地が使用されていると思います。

今回は身丈が小さいという事で接ぎを入れてのお仕立となります。
きっと身長145センチ位の方がお召しになっていたのでしょう。
明治期のお着物だと思いますが、コンディションもよくお召しになるには待ったく問題はないのですが、接ぎを入れなければお召にはなれません。
接ぎ布は全て中村さんの方でご用意していただきました。
前後10センチ程度の接ぎを入れてお召になれるサイズとなりました。

新年会にお召しになったというのでとても華やかだったのではないでしょうか。
中村さんの装い

こうやって見てみると、接ぎがデザインとなっていて熨斗目のお着物の様にも見え、これはこれで素敵です。

小川内龍夫作 久留米絣

【港区K様 小川内龍夫作 久留米絣】

重要無形文化財保持者の小川内龍夫作の久留米絣です。

裏地には男物の裏に使用する正花(木綿)をお勧めし、使用させていただきました。
木綿の裏地はごわごわするのではないかとご質問されましたが、ご着用のご感想は問題なかったという事で安心いたしました。

K様は『お星さまの久留米絣』と呼んでおられ、それが何とも可愛いなと思っていました。
満点の星降る久留米絣とでも申しましょうか、楽しさ溢れるお着物です。
お着物も可愛らしいですが、なんと!お子様の餅つき大会でお召しになったそうです。
お着物に慣れていらっしゃるK様だからこそ出来る事ですね。
そんなエピソードも聞かせていただけると、本当にうれしくなります。

   

丸山正作 紬

【港区K様 丸山正作 紬】

渋~いお着物がお好きな方ならたまらないかもしれません。
丸山正さんのファンも多いのではないでしょうか。

丸山さんのお着物は、合わせる帯もきっとコーディネートされているのではないかと思いますが、K様でしたらお手持ちの帯の中にお似合いの物があるのでしょう。
お召になったお姿を是非拝見させてくださいね。

生地は物凄く張があって、縫うのは割と困難なお着物でした(笑)

  

紫根染のお着物 

【港区K様 紫根染のお着物】

紫根染の技法は、江戸時代には南部藩の保護下にありましたが、その技法は明治時代以降、一度途絶えてしまったといいます。
一度無くなってしまったものを復活させるというのは並大抵の事では無い筈です。
経験や感覚を頼りにする作業や工程は簡単には復活できないと思います。
今こうやって紫根染のお着物を手にすることをありがたく思わなければいけませんね。
先人に感謝です。