7月2015

最初が肝心 (浴衣のお仕立のお話)

東京の花火大会は隅田川から始まる。(と思っています。)

最近は男性の浴衣姿を見る事も多く、男着物の第一歩としてはとても良いのではないでしょうか。
さて、そんな中、とても短い丈の浴衣を着ている男性を見かけました。
踵から20㎝上と言いましょうか、脛の真ん中位までの着丈しかありません。
浴衣なので元々着丈が短めの物を購入して、お洗濯したら更に縮んでしまったのでしょう。
浴衣と言えど、もし私の相方がそんな着丈の物を着ていたら、「一緒に歩かないで!」と言ってしまうかもしれません。

「木綿は縮みますよ~。」と声を大にして言いたいです。
一般的に言うと、水通しをしてお仕立する方がはるかに少ないのです。というか、お仕立て前のアイロンだけで作成してしまう方が殆どだと思います。
私は必ずお仕立て前に水通しをしますが、縮む生地ですと2尺(約76センチ)の長さで8分(約3センチ)縮みます。
という事は1反(12~13メートル)で1尺2寸(約48センチ)縮むという事になります。
生地によってはもっと縮む物もあると思います。

既製品はともかく、浴衣を反物からお仕立するのでしたら水通しを必ずしてください。
出来れば呉服屋さんでなく、和裁士が水通しを行ってくれるところがベスト。
呉服屋さん経由だと、洗い屋さんが最後に機械で反物を成形します。
この『機械で成形』がせっかく縮めた生地を伸ばしてしまう事になってしまうので、本来の縮めるという意味がなくなってしまいます。

最初に水通しをしておけば、お仕立て後に劇的に縮んでしまう事は避けられます。
気に入った反物であれば尚更手をかけてあげてください。

蝉が鳴き始めると

「蝉が鳴き始めると梅雨明けだよ。」
小さい頃、そんな風に教えてもらいました。
18日に台風11号が熱帯低気圧に変わり、日本を通り抜けて行きました。
気象庁の東京の梅雨明け宣言は19日でしたが、家の近所では台風が抜けた18日に蝉が鳴きはじめました。
自然が教えてくれる事は沢山あるのです。

またたびのザル

「柳さん、またたびのザルありますよ!」
と、電話をくれたS様。
私たちにとっては幻のザルだった、またたびのザルが突然やってきました。
以前、カゴ好きのS様になんとなくお話したら見つけてくださったのです。
この螺旋状に編まれた形状が、蕎麦の水けを素早くきってくれるというもの。
まさに蕎麦の為に作られたザルなのです。

これで金属製の水切り籠で蕎麦を食べる日々は終わりました(涙)
S様ありがとうございます!

日本の絹とは

このマーク、皆様見たことがあると思いますが、とても分かりずらいマークなのです。
これを見ると、日本の蚕から作られた絹の様に思ってしまいがちですが、このマークがついている物は海外の蚕(絹糸)でつくられております。
画像にも記されておりますが『これは日本で織られています。』というマークだと思ってください。
蚕から日本産の場合は『純国産』と記されています。
純国産はたったの1%ですから、日本の絹はほぼ海外産だという事になります。

さて、輸入の絹糸を使っているという事は為替の影響を受けます。
円高になれば安くなりますし、円安になれば高くなります。
実際にこの何年かで、仕入れの金額はだいぶ変わりました。
仕立屋 凛でも裏地の金額は変動しますので、何卒ご了承いただきたく思います。

女子サッカーW杯 閉会

「強いチームと戦って善戦したいのではなく、勝つことを目標にしているのです。」

とオーストラリアの監督は言っておりましたが、その通りだと思います。
もちろん、そこに行くまでの過程などはとても大切ですが最終的な目標は勝利しかありません。
アメリカはその勝利に向かうプロセスがとても明確で、今回の勝利は取るべくして取った優勝なのだと感じました。

それにしても日本チームの男子と女子ではなぜこんなに待遇の差があるのでしょうか・・・
恵まれている人(達)ほど、頑張らなくてはいけないと思いますが、どうでしょう。
海外遠征の時に一方はチャーター機を飛ばし、一方はこの間までエコノミークラスだったそうです。

なんにせよ、女子チームの方々、本当にお疲れ様でした!
我が家では男子の試合よりも女子の方が見ごたえがあると評判ですし、これからもずっと応援していきます。