3月2015

砧の桜

今年のスギ花粉は例年より多いという予報が出ておりましたが、私としてはそれほどでもなく外出もしております。
もちろん症状が出ていない訳ではありませんので、鼻がつまって寝苦しい、くしゃみ鼻水が止まらないなどは、ごくごく普通の症状として出ています。

そんな中、近所にある砧公園へ相方と桜の花を観に行ってきました。
桜の時期は花粉まっただ中という事もあり、どうしても外出を控えてしまいがちです。
今年は世田谷に引っ越して3年目、初めて砧公園の桜を観ることができました。

午前9時頃に家を出て世田谷通りの桜も見つつ、砧公園へ向かう。
まだ、到着したころは人もまばらでしたが、時間が経つにつれ人も徐々に増えてきます。
幼稚園や保育園などの園児が多く、小さな子供が桜の下を駆け回る姿を見るのは心温まる光景です。
上野恩賜公園の様に思いっきり宴会という方々はおりませんので、心穏やかにお花見ができるのが嬉しいです。

本日のお客様 (結城紬、大島、お仕立てのご依頼) (振袖の袖丈直し)

本日1組目のお客様。
ご近所のN様。いつもバイクで颯爽といらして下さいます。

今日はご主人の結城紬の身丈直しと大島紬の身幅直しと八掛交換でいらして頂きました。
結城の方は、初めて袖を通したら丈が長かったそうです・・・
寸法を間違えたにしてはちょっと長すぎる感じもしましたが、着る直前になって焦らない様に出来上がったら軽く羽織ってみる事をおすすめします。
大島紬はN様のお着物。
こげ茶色の表地に朱赤の八掛がちょっと気に入らないそうで、グレーに近い薄紫を選ばれました。
八掛の色が気に入らないから着ていないという方多いです。
頂き物はしょうがないですが、裏地だからと言って侮らず、きちんと選びましょう。

歌舞伎好きのN様とはいつも歌舞伎のお話になりますが、今日は染五郎さんのお話で盛り上がりました。
N様は1か月に何度も観に行かれるほどのご贔屓様です。

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本日2組目のM様。
初めていらして下さいました。ありがとうございます。

成人式にお召しになった振袖のお袖を短くなさりたいというご依頼です。
M様はお琴を習われているそうで、年1回は発表会がありそれにお召しになれるようお直ししたいという事です。
和のお稽古事の発表会は黒留袖をお召しになる事が多いのですが、お琴は訪問着でも良いのだそう。
こういったTPOや暗黙のルールの様な事ってきっと多いのでしょうね。
外部の人間である私が軽くアドバイスできない事も心得ておかないといけないなと感じております。
お客様とお話することで、私も少しずつ学習していきたいと思っております。

金継ぎ

金継ぎという加工を知ったのはいつだったのか思い出せませんが、こんなに素晴らしい修復作業があるという事に驚いたのを覚えています。
それを知る前に割ってしまった食器は、当然の如く廃材と化してしまっていましたが、金継ぎをする事で新しく生まれ変わったかのような輝きさえ携えています。
私にとって初めての金継ぎは本漆を使うものではなく、初心者用の入門編です。

金継ぎするから怖くない!
ではなくて、本来は割らない様に気を付ける事の方が大事なのでしょう。
実際に我が家では殆ど食器を割る事はなく画像のマグカップは独身時代に愛用していた物です。
ほんの少しチップしていただけですが、ちょうど口に当たるところでしたので、この何年間かは棚の奥深くに埋もれておりました。
新しい命を吹き込まれたカップをまた愛用していきたいと思っております。

春野お便り

母が主催している仕覆の会の生徒さんから頂いたものですが、とても素敵なので掲載させていただきました!
絵のセンスもさることながら、この入れ物である袋も手作り。
そして中に入っているのはなんとつくしの砂糖漬けなのです。
しかもこのつくし、母の実家がある福岡県の遠賀川(おんががわ)の河川敷の物だというのですから、これ程うれしい事はないのではないでしょうか。
一時、『おもてなし』という言葉が流行りましたが、これこそが究極の形だと思います。
こういう素朴な物ほど心に響きます。

私も幼い頃には実家の近くの江戸川の河川敷で、つくし、野蒜など時間を忘れせっせと採ったものです。
あの頃河川敷に咲いていたシロツメクサやぺんぺん草といった可愛らしい野の花は、昔と変わらずに今も咲いているのでしょうか。

本日のお客様 (訪問着と長襦袢のお渡し)

世田谷区K様。
本日は訪問着と長襦袢をお渡しさせていただきました。
お母様がお召しになっていた訪問着をお仕立て直しさせていただきました。
K様はとても華奢でいらっしゃるのですが、柄もなるべくおかしくない範囲でお仕立てする事が出来ました。
袖丈を1尺5寸(約57センチ)と長めにしましたので、それに合わせて長襦袢もお仕立ていたしました。

今日、一番驚いたのは、お父様がゴルフの海外のトーナメントに出場されているというお話。
お母様がゴルフをされるというお話はお伺いしておりましたが、お父様がそこまでの腕前とは!
海外ではパーティーなどに出席される際はパートナー同伴ですから、もちろんお母様もご同伴されているそうです。

菅原伝授手習鑑@歌舞伎座

三月大歌舞伎、昼の部を母と観に行ってきました。

昼の演目は菅原伝授手習鑑の【加茂堤】【筆法伝授】【道明寺】の3幕。
どちらかと言えば観る方にも知識が求められる難しい演目です。
『内容が難しい=つまらない』訳ではないのですが、客席も空席が目立ちました。
聞いた話によると、仁左衛門さんはこの役をなさるのはもう最後かもしれないという・・・
真偽の程は分かりませんが、益々見ておいてよかったと思います。
何人かのお客様にも何人か話したところ、観たいけれど観に行けない!という声も聞かれました。

今回、染五郎さんを観るのも久しぶりでしたが、久々の染五郎さんに感動!
坂東三津五郎さんもお亡くなりになり、贔屓の役者がいつでも観れるという事は決して無いのだと痛感しました。
この世代の方々が次世代の歌舞伎を担う世代です。本当に盛り上げていってほしいと思っております。

歌舞伎は25日間休み無しの過酷なお仕事だというお話をされている方もいらっしゃいましたが、私の父と同年代の方々だと考えると、父には絶対に無理だろうなと思う次第です(苦笑)
もう少し、勤務体制を変えられたらいいのではないでしょうか。曜日ごとに配役を変えるとか、色々方法はあると思います。

菅原伝授手習鑑のあらすじ→文化デジタルライブラリー

本日のお客様 (羽織、コートのお仕立依頼)

荒川区にお住まいのK様。
今月初めにいらして下さる予定が、体調を崩され本日に変更となりました。

K様は以前いらして下さったお客様のお友達でしたが、私は当日まで知らなかったのでびっくりしました。
ご紹介していただいた訳ではないかもしれませんが、こうやっていらして下さるという事は本当にうれしく思います。

本日お持ちいただいたのはコートや、羽織にお仕立直しご希望の反物を4点お預かりいたしました。
K様も沢山お着物をお持ちですが、普通にお召しになるのではなくご自分流にアレンジしてお召しになるのがお好きな様です。
皆様、本当にお着物がお好きなのだなと感じます。

本日のお客様 (浴衣のお仕立とお直し)

本日のお客様は、盆オドラーのS様。
名前の通り、盆踊りのあるところに出没しては踊るという方たちの名称だそうです。
東京では夏になれば色々なところで盆踊りが開催されますが、それこそ地元の商店街から大きい神社など場所は様々。
特にどこでという訳ではなく、”都合があえば行く!”という感じらしいです。

盆オドラーですから、オンシーズンになれば浴衣は何枚も欲しいのでしょう。
本日は浴衣のお仕立物を3枚とお直しを1枚お預かりしました。

着物をきるシチュエーションは様々ですが、色々な人がいるのだなぁとつくづく思うのと同時に、色々な方と出会えることは本当にうれしい事だと思っております。

本日のお客様 (羽織のお渡しと紬のお仕立依頼)

杉並区のS様。
出来上った紬の羽織を引き取りにいらして下さいました。
S様はご自身でお着物の生地を洗っていらっしゃいます。

私の祖母も自分で洗張りをしていたという事を母から聞いております。
着物が日常着であった頃は、自分で洗うのが当たり前だったのです。
洗う事は出来ても幅が揃わないなど、洗う事だけではない難しさもあります。
私の方では、万が一を考えてお客様の生地を洗う事はしておりませんが、夏物などの反物は洗っております。

もちろん本日お渡しした羽織と羽裏もS様ご自身で洗ってくださいました。
そして、ご依頼された紬と八掛もです。

お洗濯をすることも着物を楽しむ1つではないかと思います。

本日のお客様 (結城縮と浴衣のお渡し)

町田市からお越しのU様。

U様は日常にお着物をお召しになるというお着物のヘビーユーザーです。
今日もお着物でいらして下さいました。
本日お渡しした結城縮も日常にお召しになるという事で、バチ衿仕立てでお仕立をいたしました。
「半幅帯をしてそのままお昼寝もします。」その光景が目に浮かびます。

そして、U様のご主人の趣味が私の相方と同じ鮎釣りであると判明!
しかも釣りに行く川も同じ!
U様のご主人は、鮎釣りが解禁になると毎週の様に釣りに行かれる位のお好きなのだそうです。
相方は月イチくらいの頻度ですが、もしかしたらどこかで合っているかもしれないですね。