10月2015

高い買い物とは?

前回、着物は高い買い物なのかというお話を書きました。

それにつながるかどうか分かりませんが、今日は鋏の話です。
文房具の鋏といえばどの家庭にも1つはあると思いますが、我が家で今使っている鋏は500円程度で購入した物です。
割と鋏は使う方だと思うのですが、最近切れが悪くなってきました。
さて、ここでどうしようかと思う訳です。
実際、手入れをしたからといって切れ味が良くなる様な代物でもありません。
そう考えると、買い替えるという方向へ向かってしまいます。
結局、その場しのぎの物を買うのであればメンテナンスをしながら一生使える物の方が安く上がるのです。
一生物の鋏となるとやはりそれ相応の金額になると思いますが、以前ピンキング鋏を購入したときに、やはりその場しのぎに安価な物を購入してしまいました。
それを見て、相方は「そういう無駄な買い物はしないで。いつか使えなくなるんだから。」ぴしゃりと言い放ちました。
一瞬、ムッとしましたが、実際その通りなのです。
ですが、敢えて言い訳↓
その時は急にピンキングが必要になったものの、近所には相応のピンキング鋏を扱うお店は無いのです。
そのためにすぐに手に入るものを購入してしまう事になりました。
そして、ピンキング鋏は手入れをしてくれる所も少なく、自分の所の商品でないと研ぎませんという所もあるのです。

その場しのぎの物は、大切に使おうという気持ちが起こりにくいですし、突き詰めていくときりがないのですが、結局処分するしかなくなるものを買い続ける方が結局は高くついてしまうという事が往々にあると思います。

着物文化論

最近読んだ記事で思わず納得してしまったものをご紹介。

英国人の日本文化論が「正しすぎる。」「ぐぅの音も出ない。」と話題に

きものを「貴族の文化」にしたのは何か

着物にはお金がかかる、高い着物を売りつけられそう、というイメージがどうしても拭えない着物業界。
もちろん洋服よりもお金はかかります。
ここで言うお金がかかるというのはメンテナンスの話です。
今はネットで安い丸洗いなども出ておりますが、それでも1着3~4000円はかかります。
それに、シミを付ければしみ抜き代、カビなんかが生えてしまったらそれこそ数万円~数十万円が飛んでしまう事もあります。
着物を着るという事は、『まめに手入れをする』という事が欠かせません。
洋服の様に家で簡単にお洗濯が出来る物でもありませんし、お手入れができない方には向いていない衣服なのです。

着物の金額については様々なご意見があると思いますが、高いか、安いかが分からないうちに高額な着物を購入しないという事が一番だと思います。
商品には適正価格というものがあります。
それが分からないうちは、周りの雰囲気にのまれて購入しないという事が鉄則です。
ですが、自分を厳しく律していても一度や二度の失敗はついてくるものです(苦笑)

私の所にいらっしゃるお客様は個々に楽しみ方が違い、それぞれのスタイルを持っていらっしゃいます。
何を着ているかではなく、自分のポリシーを持って着物をお召しになる方が素敵だと思っています。
何より、楽しんで着るという事が自分を輝かせ素敵に見せるのではないのでしょうか。
決して自分が正しいと思う着物像が正解ではないので、ほかの方にそれをあてはめない事です。
楽しみ方は人それぞれです、自分と趣味思考が違っても非難するなんて事はしないでほしいと思います。
ですが、TPOをわきまえる事は重要です。
お洋服でも結婚披露宴にGパンTシャツでは出席しないのと同じ様に考えてください。
着物は『正装』だけではありません。着物にもGパンTシャツと同じく普段着はあるのです。
そして自分が楽しめる環境と、共有できる友人がいると更に楽しくなるはずです。

着物は洗張をして着物い仕立て直す事も出来ますし、裏を表にしてお仕立直し出来る生地もあります。
着物からコートや羽織にも形を変えられます。
その後も、帯になり座布団になりとどんどん小さくなって最後は雑巾になるまで使えるのです。
着物のまま次の代に手渡すことももちろん然り。
高い買い物になるかならないかは、その方の扱い方次第なのかもしれません。
買ったのに着ないという事が一番もったいないと思うのです。
裾が擦り切れる位どんどん出かけて楽しむことで、元を取ったらよいのではないでしょうか。

静電気対策

先日、お客様より伺った静電気対策。
私自身、空気の乾燥と体質(?)と、化繊の素材を身に付けているとなってしまうのかと漠然と思っておりました。
それが、衣類の組み合わせによってだいぶ軽減できるというお話をお伺いました。
もちろん、お客様自身で実証済だそうです。

上からプラスに帯電しやすく、下に行くほどマイナスに帯電しやすい素材となります。

⇒ウール・羊毛
⇒ナイロン
⇒レーヨン
⇒絹
⇒皮
⇒綿
⇒麻
⇒ポリエステル
⇒アクリル
⇒塩化ビニル

プラスとマイナスが離れている素材を着用してしまうと静電気が起きやすく、近い(隣同士)素材を選ぶと起きにくいそうです。
詳しくは→衣類の組み合わせをご覧ください。

静電気に悩む方には朗報と言えるでしょう。
何事も仕組みを知る事で解決策が分かるというものです。
これからの季節、無駄な火花は散らさず、穏やかに過ごしたいですね。

今年最後

今年最後の鮎釣りへ狩野川まで出かけた相方。
稚鮎の様な小さなサイズもありましたが、から揚げ、塩焼きといつものメニューで美味しくいただきました。
いつもごちそうさまです。そして来年もよろしくお願いいたします。