日本の伝統・文化

八月納涼歌舞伎@歌舞伎座

最近は母と見に行く歌舞伎が定番になってきました。
今回は第一部の『おちくぼ物語』と『棒しばり』を観劇。

歌舞伎好きのお客様に、おちくぼ物語の左近少将役の中村隼人はイケメンだとかなり洗脳された後に観に行きましたが、その通りのイケメンぶりでした(笑)
華やかさや美しさは天から与えられたものですから、この美しさをこれからも継続していってほしいです。
歌舞伎座の解説にも書いてあった通り、お話の内容は日本版シンデレラ。
予備知識なしに見ても楽しめるお話です。

棒しばりは見るたびに思います。
手を縛られたままで踊るのは見ている以上に大変だろうと。
それを難なくこなし、観客の笑いも取るのは更に難しい事でしょう。
これも鍛錬の賜物ですね。

菅原伝授手習鑑@歌舞伎座

三月大歌舞伎、昼の部を母と観に行ってきました。

昼の演目は菅原伝授手習鑑の【加茂堤】【筆法伝授】【道明寺】の3幕。
どちらかと言えば観る方にも知識が求められる難しい演目です。
『内容が難しい=つまらない』訳ではないのですが、客席も空席が目立ちました。
聞いた話によると、仁左衛門さんはこの役をなさるのはもう最後かもしれないという・・・
真偽の程は分かりませんが、益々見ておいてよかったと思います。
何人かのお客様にも何人か話したところ、観たいけれど観に行けない!という声も聞かれました。

今回、染五郎さんを観るのも久しぶりでしたが、久々の染五郎さんに感動!
坂東三津五郎さんもお亡くなりになり、贔屓の役者がいつでも観れるという事は決して無いのだと痛感しました。
この世代の方々が次世代の歌舞伎を担う世代です。本当に盛り上げていってほしいと思っております。

歌舞伎は25日間休み無しの過酷なお仕事だというお話をされている方もいらっしゃいましたが、私の父と同年代の方々だと考えると、父には絶対に無理だろうなと思う次第です(苦笑)
もう少し、勤務体制を変えられたらいいのではないでしょうか。曜日ごとに配役を変えるとか、色々方法はあると思います。

菅原伝授手習鑑のあらすじ→文化デジタルライブラリー

伝統歌舞伎保存会

お客様に誘われて、国立劇場で開催された伝統歌舞伎保存会の研修発表会を観に行ってきました。
伝統歌舞伎保存会とは次代を担う新人を育成する事と、歌舞伎の世界に生まれなかった人たちが歌舞伎の世界を目指し日々修行をする場所なのです。
普段は舞台に立っても1行ほどのセリフしかない者だけで演目を行うのですから相当の努力、そして何よりも緊張する場だと思います。

演目は『御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)』
今回主役を張る中村音蔵さんのご友人がチケットを手配してくださいました。本当にありがとうございます。
あらすじは割愛させていただきますが、音蔵さんは役者になるために生まれてきたのではないかというくらいの素晴らしい方でした!
花道に立った時の美しさといい、七五調の難しいせりふ回しと言い素晴らしかったです。
一緒に見に行ったN様は「きれい~。」と思わずつぶやいておりました(笑)
研究発表会だからと言って主役に抜擢されるのは難しい事だと思いますが、菊五郎さんの目に留まったのでしょう。
機会があれば、こういう発表会をこれからも観に行きたいと思っております。

そして第2部のお楽しみ大喜利。
こちらは菊五郎さん、菊之助さん、左団次さん、時蔵さんとそうそうたるメンバー。
役者さんが出すクイズに答えるとメンバー全員のサインが入った色紙が貰えるという素晴らしい企画!
しかも一緒に観ていたNさんは一番に色紙をゲット!N様すごいパワーです。

とても楽しい企画でしたので、また次回に期待したいと(おおいに)思っています。

本日のお客様 (小紋のお渡し) (宮古上布のお渡し)

1組目のお客様のM様。
お仕事の前に立ち寄ってくださいました。
ご依頼いただいておりました、袷の小紋が出来上がりましたのでお受け取りにいらしてくださいました。
小紋は白地の中に朱赤の雲取り文様が描かれ、小紋ですが少し改まった雰囲気のお着物。
附下とまではいきませんが、帯合わせでグッと格が上がりそうです。

鍼灸師のM様には、私の相方が腰痛で病院に通った話をする。
「もしかしたら内臓の疾患があるかもしれない。」の様な事態になったのですが、結局は内臓には異常なしの健康体で一段落しました。
「重篤な病気でなくてよかったですね。」とおっしゃって下さいましたが、腰痛は今もあるらしく整体通いは続きそうです。

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2組目のお客様。ご近所のN様。
夏前にご依頼いただきました、宮古上布のお仕立て直しとお直しをお渡しする。

歌舞伎がお好きなN様は月に何度か観に行かれるそうです。
今月観に行った『天守物語』ですが、もしかしたら玉三郎さんで観れるのは最後かもしれないというお話。
あの、妖気漂う雰囲気を醸し出せる人は玉三郎さん以外になかなか思いつかないですね。
そう思うと観ておいてよかったなと改めて思いました。
これから歌舞伎界は代替わりになるはずです。
今の若手の人たちが今の人間国宝クラスになる(かどうかはわかりませんが)までにあと30年くらいでしょうか。
「私、生きてないわ~。」とおっしゃるN様に「お元気だと思いますよ。」と思わず、突っ込んでしまいました(笑)
それくらいにパワー溢れるお元気なN様なのです。

お仕立の宮古上布は洗張りをしましたので、とてもきれいになりました。
少々スジは残ったもののあまり気にならないと思います。
同時にご依頼いただいた小千谷の絽の長襦袢を羽織っていただいて丈を確認する。
それも丁度良さそうです。
「次回は9月頃にお直しを持ってきます。」
とまた、ご依頼の予約をいただく。楽しみにお待ちしております。

七月大歌舞伎@歌舞伎座

台風8号の影響を一番受けるとされた11日。
7月では過去最大規模という台風は東京にはあまり影響を及ぼさず、お昼過ぎには晴れ間が広がり夏日の暑さとなりました。
前日まではひやひやしておりましたが、母と七月大歌舞伎、夜の部を観に行ってきました。

今回は花道近くの良席で、演者の間近に感じられます。
玉三郎さんの演目を観たのは久しぶりの様な気もしましたが、杮落し公演の伽羅先代萩以来です。
今回楽しみにしていたのは泉鏡花作、天守物語。
歌舞伎というよりも現代劇に近く、歌舞伎にはない演出も面白く工夫されていました。
玉三郎さん演じる富姫は、人間ではなく播磨の国の白鷺城天守に住むとされる、いわゆる物の怪の姫。
伽羅先代萩の夕霧の美しさとは打って変わり、人間的ではない妖艶さを出せるのはさすがです。
歌舞伎には珍しいカーテンコールも二度ほど応えてくださり、充分に楽しむことができました。

初春大歌舞伎@歌舞伎座

今年初の歌舞伎観劇。
母が知り合いからチケットを頂く様で、新歌舞伎座になって以来、私個人では1度も購入したことがないというありがたい状況なのです。

今回は昼の部を観劇。
『杉浦の太鼓』では故勘三郎氏が出演していた時の事を思い出します。
浅草の平成中村座だったと思う。

今回の松浦鎮信候は吉右衛門氏。

松浦候の隣の屋敷は吉良上野介邸。
松浦候は赤穂浪士の討ち入りを今か今かと待ち望んでいるものの、そんな気配は全く無く、それに業を煮やした松浦候は機嫌が悪くなり、悪態をつくのですが・・・

松浦鎮信候はひょうひょうとしていて、どこか子供の様な愛らしいキャラクターとして描かれています。
故勘三郎氏は本当にこういう役がぴったりで、笑いが絶えないお芝居だったと思います。
今回の吉右衛門氏は、楽しい事があれば今までの不機嫌さはどこかに行ってしまう『こういう人いるよね。』的な、要所でクスッと笑ってしまう、そんな松浦候。
どちらにもそれぞれの味があって、色々な役者さんの違いを見るのも最近では楽しみになってきました。

納涼茂山狂言祭2013@国立能楽堂

納涼茂山狂言祭2013を観に国立能楽堂まで行って参りました。
演目も『萩大名』『棒縛り』『妙音へのへの物語』という初心者向けの3演目。

『棒縛り』は先日歌舞伎で観たこともあり、比べてみるとなかなか面白い。
狂言は能楽堂で演じられるので、歌舞伎と比べれば会場も小さい。
必然的に狂言の方が動きもコンパクト。
狂言は演者の歩く距離や演者の動作で場面転換をしている。
舞台セットも殆どないあの小さな空間が、いつの間にか場面が変わっているのである。
なにせセットが無いので全て自分で表現しなくてはならない。
扉を開ける動作に「ガラガラガラ。」と自分で擬音をつけるのも面白い。

歌舞伎は演者が舞台を大きく動き回るし、お囃子も大人数。
私の中では、歌舞伎の『棒縛り』は舞踊、狂言はお噺、という感じでしょうか。

狂言は何かと深く考えるよりも『笑劇』なのです。
観に行くとっかかりとしては行きやすいのではないでしょうか。
また、機会があれば是非行ってみようと思っております。

八月大歌舞伎

八月大歌舞伎を観に行ってきました。
今回は母の知り合いから松竹の株主チケットを頂いての観覧。今年になってから自分でチケットを購入することなく観に行けるのは何ともうれしい限りです。

第三部の狐狸狐狸ばなし(こりこりばなし)
以前見た時の伊之助は故・勘三郎さんだったと思います。
勘三郎さんもアドリブの多い方でしたが、扇雀さんも負けずに自由。

狐狸狐狸ばなしは男と女のドロドロした愛憎劇なのですが、笑える演出にしてあります。
これをリアルに描いたら割と恐ろしいものになりそうですが(笑)

そして、棒しばり。
こちらは狂言でお馴染みの演目ですが、実は今度狂言の棒しばりを観に行きます。
歌舞伎と狂言では何が違うのか体感したいところ。

母も歌舞伎を観るのは楽しそう。
今回は母から誘われましたが、また何かの機会に観に行ければ良いなと思っております。

 

和の会能楽公演「NOH-AGE 玉葛(たまかずら)

いつも公演のお知らせを下さるK様ありがとうございます。
なかなか都合がつかずにすみません。
少しでもお役に立てればと、公演の宣伝だけでもさせていただいております。

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和の会能楽公演「NOH-AGE 玉葛(たまかずら)」
日時:8月10日(土)19時開演 20時30分終了予定
場所:セルリアンタワー能楽堂(渋谷)
内容:仕舞(紋付を着ての舞です)「須磨源氏」(すまげんじ) シテ(光源氏):坂口貴信ほか
能「玉葛」 シテ(主役・玉葛):高橋憲正ほか
入場料金(税込)3,500円 ※全席自由席

落語デビュー

お客様のT様のおすすめとあって、落語を聞いてきました。
初落語という事で、少々勝手が分からない不安を抱えつつ、成城ホールへ向かう。

そうだ じゅげむ きこうというタイトルでしたので、じゅげむが聞けるものだと思っていたら違いました(笑)
2人の落語家が2ツずつネタを披露するという構成で、その中の1つ『青菜』がツボにはまる。
どのくらいツボにはまったかというと、涙が出るくらい笑ってしまった。
まさに“笑いがこみ上げる”という表現がぴたりとくる。
肩を震わせて笑ったのは久しぶりだった。

以前、何かでも書いたと思うのですが、人を笑わせる職業って本当に尊敬してしまいます。

今日は落語という新しいドアを開けてしまいました。
きっかけを作ってくださったT様、ありがとうございます!

青菜のあらすじ→wikipediaへ